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約束イベント‐レオ‐
『じゃ、じゃあ…約束…な?』
『約束…』
少しばかり言葉の意味を咀嚼のに時間をかけて、彼女は笑った。なんていうか、ふわり、という形容が似合う感じで。
『はい…約束です。』
その笑顔がすごく嬉しくて、照れくさくて、妙な相槌をうった。

――笑った顔が見たい――。

そう思うようになったのはいつからだろう?

初めて会った時、表情がぎこちなくて、口数も少ない彼女のことを「人形みたいだな」なんて思った。
でも、いや、だからこそ、打ち解けていくたびに表情を「思い出していく」彼女が愛しくて。
口数は相変わらず少ない。けど、ちゃーんと話を聞いてる。それで、考えてくれる。隣で。一緒に。

――抱えてるものはまだ見えないけれど――。

約束をした。
ホントにくだらなくて、どーでもいいこと。
けど、あの笑顔を見れたから、それでいいや。なんて思ってたんだ、俺は。

 
「忘れてしまいました…」
申し訳なさそうに瞳を伏せる彼女。もう何度目だろうか。忘れられることより、その顔を見る方がつらい。
だって俺は覚えてるから、だから、寂しいとは思っても、責めるつもりはないわけで。
「約束…してたのに…」
なおも言葉を紡ぐ彼女に、ふと違和感を覚え、
「約束?」
と聞き返す。
すると、彼女は驚いた顔(だと思う…表情の動きはやっぱり少ない…)で、
「約束…です、けど…」
と言葉を濁す。
やっぱり違和感。俺は眉をひそめた。
すると、彼女はそんな俺の表情から
「…もしかして、レオは約束したことすら忘れたんですか…?」
と疑うような目でこちらを見てきた。その表情はフィオそっくりで、あぁそんな顔を教えるなよ!!と内心で実の妹を責める。
「いや、違うって!」
俺が慌てて言い募ると…逆効果だった。彼女は疑いの色を濃くする。
「本当に忘れてないんですか?」
「本当だって!」
忘れられるわけがない。あの笑顔。緩んだ赤灰色の瞳。
「それなら…どうして不思議そうな顔をされたんです?」
どうやら信じてくれたらしい。今度は純粋な質問だった。
「いや…約束したことは覚えてたんだなって。」
なおも首を傾げる彼女に、どう説明したものかと俺も首をひねる。
「だから、えっとだな…約束の内容だけ忘れるとか、変な忘れ方だよなぁって俺は思ったんだけど…」

これまでの、忘れられた時のことを思い出す。記憶は彼女の中からすっぽりと抜け落ちてしまっているので、彼女はまわりが指摘するまで、なくしたことに気付けない。
彼女自身で気付いたこのケースは初めてなのではないだろうか。

「そういえば…そうですね…」
「だろ?」
彼女が俺を見上げる。
それだけで、思考が止まる。どうにかしてほしい。
「どうしてだろうな。」
目をそらして、深く考えずに言った俺のその一言をうけ、彼女は言った。
「よく分かりませんけど…特別だったから…でしょうか?」
その言葉が信じられずに、視線を戻す。まだ見上げていた赤灰色の瞳と、目が合った。
「私…約束したことが…嬉しかったんです…」
彼女は少し微笑んで、それから、視線を落とす。
「でも…忘れてしまいました。」
嬉しかったと言われ上空に舞い上がっていた俺の意識は、その言葉と表情で一気に地上に戻ってきた。
「気にしなくていいから!たいしたことじゃないし!うん、たいしたことじゃなかったしな!そうそう、気にするほどのことじゃ…」
「そうですか…」
「…へ?」
…今、怒気を含んでた…ような…
「私との約束は…たいしたことじゃないんですね…?」
「うわぁ!違う!違うって!!」
「もう…いいですっ。」
彼女はぷぃと、これまた妹とそっくりな動作でそっぽを向いた。
フィオの馬鹿ー!とまた内心で叫んだ。

 
――*――*――

 
Lost Logより、苦労人レオナルド。
みんなからはレオとしか呼ばれない、そんな人(笑)
主人公女が可愛くて仕方がない。
きゅーって抱きしめてあげたい(笑)
【2009/05/31 23:49 】
迷子[LL] | コメント(0)
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