fc2ブログ
約束イベント‐ノックス‐
「約束だからな!」
そう言って、彼はいたずらを思いついた子供のような、楽しそうな笑顔を浮かべた。
「ノックスー!」
向こうにいる仲間から名を呼ばれ、彼はそちらへと走り出した。
途中、私の方を振り返って、もう1度。
「約束だからな!」
「…はい!」
私はうなずいた。
なぜか心の中があったかくて、知らず目許が緩んでいる。
約束。
その単語を胸の中でくり返した。

――これが幸せってことなのかな。

私は一度、すべてを忘れている。
こうやって、日々の生活の中で生まれていく感情にマーカーをつけて、分類していくのは楽しくて嬉しい。
その作業に貢献してくれているのが、今の、まっすぐな瞳が印象的な青年だった。
私の心を揺さぶる人。笑顔を与えてくれる人。

 
忘れることは辛い。
だって覚えていてくれる人が、悲しそうな表情をするから。

そしてまた忘れてしまった。
約束だと言ってくれた彼の笑顔は思い出せるのに、
…その内容がすっぽり抜け落ちている。

ノックスは感情が見事に表情や態度に現れる。
私みたいな"欠陥品"にとって羨ましいそれが
今はひどく恨めしかった。
がっくりと肩を落とす姿が容易に想像できて、ため息をつく。
もしかしたら、怒って口をきいてもらえないかもしれない。
それもありうる。だって嘘をつけない人だから。

憂鬱な気持ち。
そうマーカーをつけて、ふと、違う気持ちも混じっていることに気付く。
なんだろう?
忘れてしまったのが悔しい?
欠陥品な自分が嫌で仕方ない?
そういう感情も時々あるが、今日のは違う。

首をひねっていると、ぽんぽんと肩をたたかれた。
「よっ!」
ノックスだった。
まだどう謝ろうかシミュレーションしてないのに、と思ったが、仕方ない。
とりあえず頭を下げてみた。
「うぉっ?!どうした?!!」
「忘れてしまいました…」
「は?!」
途端、彼に両肩を捕また。
驚いて見上げた私の瞳と、彼のまっすぐな瞳が交差する。
「俺のこと忘れたのか?!!!」
「…や、ノックスを忘れたわけじゃ…」
「あぁ゛ー…よかった…」
力が緩められて、私はほっと胸をなで下ろす。
「いきなり頭下げられるからびっくりしたってー」
そう言って笑う彼につられて笑って、
「でも…忘れちゃったんです…約束。」
うなだれる私に彼はいとも簡単に言った。
「じゃあ約束しなおそうぜ!」
「え…?」
傷つけると思っていたのに、意外だった。
彼は笑う。明るく。
「ん?どーした?」
「…怒らないんですか…?」
「破られたんだったら怒るけど。」
その違いが私にはよく分からなかったが、彼が笑ってるのでいいのだろう。そう思うことにした。
「約束…もう一回してくれますか?」
「おぅ!」


マーカーがひとつ増えたかもしれない。
忘れてしまって惜しいなって…私はそう感じてたんだ。
約束をしたことが嬉しくて、待ち遠しかったその気持ちは忘れてなかったから。


『今度、俺のとっておきの場所に連れてく!約束な!』

 
――*――*――

 
Lost Logより、ノックス。
米舞大好き熱血君(笑)

さすがに眠いです。
ここはドコ?って気分なんだぜ☆←
おやすみなさい…。
【2009/05/29 02:52 】
迷子[LL] | コメント(0)
<<真後ろはうずうずします。 | ホーム | 階段を降りたところで…>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |