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約束イベント‐リオ‐
赤い紐に黒地、膝ぐらいまであるブーツを大袈裟に鳴らして歩く。それにあわせて黒いリボンで高く結った金髪が左右で上下に揺れ動き、膝上のプリーツスカート、裾から覗く黒フリルが揺れる。目のやり場に困るくらいひらひら。黒白のボーダーニーハイからぎりぎり素肌がちらり。お構いなしに彼女は大股で歩き続けた。
急いでるわけではない。
「ばか…ばか…!!!」
本当は12歳なのだが、厚底をもってしても補えない身長と白いブラウスの下に隠れる華奢な体のせいでさらに幼く見える少女―――リオネット・ストロベリーは怒っていた。
空は夕焼けから夜へと装いを変えていく移り目の色。月はまんまるく太っている。それを見る余裕は、もちろんない。

約束してたのに―――。

リオは大好きな彼のことを思い浮かべ、頬を膨らませた。右手に持った、赤が強めの、鮮やかなピンク色の傘で道を叩く。続けて、もう一回。縁取りの白レースが特徴の可愛らしいそれは、見た目どおりの愛らしい音をたて、ブーツのカコンという軽い音と混ざって、響いた。夜が近付いてきたのに加え、人通りの少ない方、少ない方へと歩いてきたので、あたりに人の姿はない。だから余計響いて、寂しい。

―――彼は特殊な能力を持つ。その力を使う際、自身の記憶を犠牲にしなければならないことを、少女は幼いながらも十分理解していた―――つもりだった。

約束していたのだ。二人で、みんなに内緒で遊びに行こうって。普段はぶっきらぼうで、何を考えてるかまったく分からない彼が、「秘密」と言って、人差し指を立て口許にあてて、ほんの少し笑った。その仕草と表情に目を奪われた。何度思い出したことだろう。その度きゅうと胸がしめつけられる。
毎日指を折って、カレンダーとにらめっこして、待ったその日が、今日。

彼は忘れてしまった。約束してたのに。先ほどの戦いで能力を使ってしまったがために。
まわりに内緒にしていたのがあだとなった。覚えているのは少女だけである。

どうしてこんなにくやしくて、悲しくて、せつないのだろう。

彼に対して怒っていたはずが、今はもう何に腹を立てているのか分からなくなった。
わり切れない自分が嫌だ。子供じみてる。リオはそう思って、また傘を鳴らした。カツン。

「大っ嫌い!!」
そう叫んだ時、彼は困ったような、傷ついたような顔をしていた。嫌われてしまったのだろうか、部屋を飛び出した少女を追いかけてきてはくれなかった。それがこの感情に拍車をかけている。
「ばか…」
込み上げてきた涙に視界が歪んで、そこで初めてリオは歩みを止めた。ずいぶん遠く、街外れまで来ていたことに気付く。
大粒の涙が後から後から零れて、落ちて。それを両手でぬぐう。情けなかった。惨めだった。人がいないとはいえ、こんな道端で泣くなんて、プライドが許さない。彼女は嗚咽だけはもらすまいと唇を噛んでやり過ごした。こすりすぎた目の下は赤くなってしまったが、涙をやっとごまかした、その時、
「リオ…!」
呼ぶ声に振り返って、また少女の視界はぼやけることになる。
彼だった。
「何しにきたの?!」
声が震えるのを必死に隠しながら、少女はつっけんどんに言い放つ。
「リオが、怒ってたから。」
単語でぶつぶつ切れるのは息が整ってないからではなく、彼の話し方の特徴である。
「ごめん、俺、リオが、なんで怒ってるか、分からない。」
感情が読み取れないその話し方は、リオの怒りと不安とを煽る。
「そうよね。忘れちゃったんだもんね!」
傷つけると分かっていて、それでも少女は止まらない。
くやしくて、悲しくて、せつない。
また込み上げてきた涙を気のせいだと思いたくてまばたきを繰り返す少女に、彼は何か差し出した。
ペロペロキャンディ。着色料がものすごくて、総長やウォルフから散々言われたけど、少女が大好きな、ピンクと白のぐるぐる。
「リオが好きなものは、覚えてたから。」
一瞬、心臓が止まったかと思った。それから、少女の胸に充満していたこの感情の正体がすぅと理解できた。
自分との思い出が取るに足らないもののように思えて、くやしくて、悲しくて、せつなかった。

「俺、覚えてるから。」
なんだか泣き出しそうな表情で、彼はまた言った。

―――私との思い出、大事にしまっておいてくれたのだろうか?

少女はキャンディをひったくるように取り上げて、そっぽを向いた。
「仕方ないから許してあげるわ!」
"ありがとう"は恥ずかしくて言えなかった。たった一言で機嫌を直してあげるのも癪で。
素直になれない少女に、しかし彼は安堵の表情を浮かべる。
胸中でリオは"ごめんね"と付け加えた。
たぶん、傷つけた。でも私だって傷ついたのだ。おあいこってことにして欲しい。
「ほら、さっさと帰るわよ!」
少女の勝手な物言いに彼は笑って、後ろからついて行った。
ブーツの音が軽く、楽しそうに歌う。ツインテールもスカートのフリルもリズムに合わせ踊るように跳ねる。
まんまるな月を見上げる。あぁ今日は満月だったんだと、少女は笑みを浮かべて、彼を振り返った。

 
――*――*――

 
リオはスパッツはいてるんだけど、でも…
ひらひらはドキドキなんですっ!!(笑)
Lost Logより、ロリツンデレちゃん。
卒人さんから許可もらったので、ブログにあっぷー。
ツンデレって可愛いですよね。憎めない。
でもなぜか声担当が私で、いや仮なんですけど、
早くふさわしい人が現れないものか…と思ってます。
光栄ですけどねー可愛い言われるのは嬉しいものですv

Lost Logについての詳しい説明は後日ー。
今日はもう寝るよーてかなんで起きてるんだー…(笑)
【2009/05/21 01:26 】
迷子[LL] | コメント(0)
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