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    しのはる!
    ※なっちゃんさっちゃん分裂してる

     唇に触れた体温は、どこまでも優しかった。
     柔らかい――この感覚はなんだろう。と、彼女は微睡む意識をゆっくり辿る。
     それは、とっても幸せな記憶と結び付いている。
     唇から伝えられる想いは、不器用な言葉を並べる彼の、本当を教えてくれるから、恥ずかしい気持ちと同じだけの、満ち足りた幸福を覚える。
     ――キスを、している。
     ゆっくりと離れていくぬくもりに合わせ、春歌は目蓋を開けた。
     ぼんやりとした意識は、司会と共にクリアになって、唇を奪われたという実感が急速に巡り、一瞬にして真っ赤になる。
     足元に寄ったシーツを口まで引っ張りあげて顔半分を隠しながら春歌は、自分の慌てふためく様子を呆れたように、でもどこか楽しんで見ている砂月を、視線で非難した――あまりに突然のことで、声にならなかったのである。
    「いい加減慣れないか?」
    「砂月くんこそ、普通に起こしてください。と、わたし、いつもそうお願いしているのに……。」
     とっても、心臓に悪い目覚めです。
     潤んだ瞳でじっと見つめ、ふるふると肩を震わせる彼女は可愛い。愛しているからこその贔屓目も認めた上でなお、特別愛らしいと砂月はそう思っている。
     少女の額を指で弾いて、あっさりとベッドから身を引いた。直視できない程可愛いのだと自覚していないから、この天然はたちが悪い。
     春歌が寝坊した時、まるでお約束事のように繰り返されるやりとりは、
    「ほら、朝食温め直しておくから、さっさと那月を起こしてこい。」
    「起こしてくださって、ありがとうございました。」
    部屋を去る砂月の背中へ、眠り姫がお礼をのべるところで、一幕。
     唇にかすかに残る香りにまた頬を染めて、春歌はベッドから降りた。

     *

    「那月くん。那月くん。」
     朝ですよ~。と体を軽く揺すってみても、恋人は変わらず穏やかな寝息を立てている。
     無防備な寝顔が愛らしくて、いつも忙しく頑張っている彼のその表情をもっと見ていたいと思うけれど。春歌はきゅっと口元を結んで、パートナーですから。と意気込む。
    「起きてくれないと……いってらっしゃいのキスをする時間がなくなっちゃいますよ……?」
     一番効果的だと知ってから、何度も繰り返し使っているその言葉でも、毎回恥ずかしくて、声が震える。
     ハルちゃんはそんなところも可愛いんですよね。と笑って、那月が体を起こした。
    「……起きてました、よね?」
    「いいえ~。いま起きましたよぉ。おはよう、ハルちゃん。」
     触れるだけの軽いキスをして、那月の一日は始まる。
     本当はもっともっと触れたい。
    「さっちゃんが待ってますね。」
    「はい。先程から、良い香りがしています。」
     立ち上がった那月が差し出す手に、手を置いて、二人で手を繋いでリビングへと向かう。
     三人一緒だから、幸せ。
     四ノ宮家の第三幕は、温かいスープと焼きたてのトーストを一緒に囲む、そんな、毎朝の風景。

     *

    四ノ春クラスタさんのお話を聞いてて、ついあらぶった。
    ハルちゃんを起こすのはさっちゃんの役目で、
    なっちゃんを起こすのはハルちゃんっていう、
    そんなお約束があればいいなぁ。
    【 2012/06/25 19:41 】

    | 迷子[うたプリ] | コメント(0) |
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