スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    【 --/--/-- --:-- 】

    | スポンサー広告 |
    すれ違った想いは私が片結びします!!!
    debut感想その2
    っていうか小説
    っていうか
    まだなっちゃん以外に手を出してないっていうか
    内容を消化中。。。

    OPが好き過ぎて
    もう30回位観てるんですけど、ちょっと。
     ――ひどく、怖い夢を見た。
     身体を起こし、早鐘のように鳴り渡る鼓動に息を吐く。全身に吹き出した汗へ不快感を覚え、額を拭い、穏やかな寝息を立てる彼へと視線を落とした――よかった、起こしていなくて。
     しばらく眠る気になれず、じっと寝顔を見つめ、夢でよかったと胸を撫で下ろした。
     身じろぎをすれば、シーツの衣擦れの音がする。ゆっくり、慎重な動作で恋人へと向き直った春歌は、日々カメラに追われ、写し出されるアイドルの、無防備な表情へと手を伸ばした。
     長い睫毛。手入れされた肌。目蓋で覆われた双眸は美しい緑――森を連想するその深い色に優しさと光をたたえ、春歌を映す。彼が微笑む度に嬉しくて、ずっと隣にいたいと、胸に願いを抱いて、溢れる愛しさのままに彼女も自然と笑みを溢す。
    「ん……。」
     白い指が彼の頬に触れると、ミルクティー色の髪がふるりと動いた。春歌は慌てて手を引っ込めて――彼が再び寝息を立て始めたのを確認し、安堵の息を吐いた。
     触れた一瞬、確かに感じたぬくもりを無くさないよう胸の前で手を抱く。
     最愛の彼が、いなくなる夢だった――。
     何度、その名を呼んだだろう。遠ざかっていくパートナーは振り返ってはくれず、顔を見ることも叶わない。
     ――置いていかないで。
     叫ぼうとして、嗚咽に絡まって声が出なかった。夢の中で春歌は、ただ一人立ち尽くし、泣き続けることしか出来なかった。
    「那月くん。」
     ハルちゃん。と、柔らかな声を再生しながら、呟く。
    「わたし……怖いです。」
     春歌。と、艶やかな声を聞いて、胸の中がざわつくようになったのは何時だっただろう。
     僕達は二人でひとつだと、那月はそう言うけれど。
    「……那月くんは、一人で行ってしまうから……。」
     本当に、ひとつになれたなら、この不安はなくなるのだろうか。
     声が震える。
     視界が滲んで、目を伏せ、口を閉じる。

     ――僕が、弱いから。

     那月の言う、強いが何を指すのかがわからない。
     困難にぶつかると、決まって春歌を遠ざけて。
     一人で、戦って。
     傷ついて。
     乗り越えて。
     春歌の元に帰ってくる毎に、確かに彼は強くなっている。
     ――わかってる。信じて待っていたいと、そう思う。でも、
    「強くなんか、なくったって……わたしは、あなたが好き……。」
     アイドル四ノ宮那月のパートナーである七海春歌に言うことのできない、恋人としての本音。
     いつか、帰ってきてくれなくなったら?
     置いていかれたら、どうすればいいの?

     ――信じられなかった、僕が弱いんです。

    「那月くん……わたしも、弱い……です……。」
     信じられない日もある。夢にみたという、ただそれだけで、こんなにも不安を感じてしまう。
     だから、二人で乗り越えていきたいのに。

     ――那月くんは、わかってない。
     わたしがどれだけ、那月くんのことを好きなのか。

     ベッドから滑り降りると、かすかにスプリングの音が鳴る。
     たまには、喧嘩をしてもいいだろうか。
     想いを押しつけても、いいだろうか。
     ペンをとる。
     五線譜を広げる。
     自分の気持ちのまま、譜面を綴るのは久方ぶりで、夢中になる――悪夢を忘れてしまう位に。

     *

     ――ひどく、幸せな夢を見た。
     夢から覚めて、まず一番に探すのが、恋人の愛しい姿。
     眼鏡をかけた那月は、冷えきった隣のスペースに首を傾げる。
    「ハルちゃん?」
     そうして、別室で机に突っ伏す彼女の姿を見つけ出した。
     春歌の横には、きちんと重ねられた五線譜が置いてあり、まるで、見てくださいと言っているように感じて、導かれるまま手に取った。
     春歌が那月のために曲を書く時は、彼の声を最も良く魅せる音を紡ぐ――口ずさめない程ではないが、自分に合わない音階に、那月は再度首を捻る。男声のものと言うよりは、女声の……。
     はっとして、眠り続ける彼女に目をやり、いつまでだって聴き続けていたい、その愛しい声を譜面に乗せていけば、
    「…………。」
    彼が当初想像した通り、那月のため、那月のためだけに降り積もった音楽だと知った。
     静かに眠り続ける姫君を抱え上げれば、那月の胸に、こてんと頭を預ける春歌が愛しくてたまらずに、そっと額に口づけて、どうしましょうかぁ。とのんびりとした口調で呟いた。
    「僕は喧嘩は好きじゃないので……ハルちゃんに伝わるように、あとで一生懸命お話しますね。」
     強くなりたかった。
     彼女を巻き込まないでいられる自分でいたかった。
     大切な大切な、たった一人の愛しいお姫様。僕だけのミューズ。
     髪を撫で、弄び、頬にキスを落として、そっと微笑む。
    「ハルちゃんに出会って、
     ハルちゃんの曲を歌いたいって思って初めて、
     僕は、過去に向かおうと考えられたんです。
     逃げずに、頑張れたんです。」
     那月を強くしているのは、彼女の存在そのものなのだと思う。
    「確かに、以前は強い自分であろうとしていました。
     でもね、あなたがいれば、僕は、大丈夫。」
     ――それに、ね。
     今朝方に夢の中で出会った、純白のドレスを身に纏って微笑む春歌の姿を思い出し、那月はそっと感嘆の息を吐く。
     だって、守りたいものが、あなただけじゃなくなる。きっと、この先たくさん増えていく。
    「一緒に生きていきましょうね。春歌。」
    【 2012/05/26 20:17 】

    | 迷子[うたプリ] | コメント(0) |
    <<debut感想2 | ホーム | 「うたの☆プリンスさまっ♪ debut」>>
    コメント
    コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    | ホーム |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。