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    今宵僕と夜明けまで - 1
    シンデレラっぽいもの(笑)。

     *

    あるところに、七海春歌という少女がいました。
    春に綻ぶ花のように可憐で優しい笑顔で、
    日の光を讃え歌う小鳥のように華奢で愛らしい姿の少女は
    両親が亡くなった今、父の再婚相手である継母と
    その連れ子である二人の継姉との四人で暮らしていました。
    引っ込み思案で、思っていることをうまく言葉にすることが出来ない春歌は
    新しい家族に馴染むことができず、
    彼女等の身の回りの世話をすることで家に置いてもらっていました。
    「灰かぶり。」
    暖炉の辺りのことを一任されていた春歌は、
    いつも煤に汚れていますので、母親にそう呼ばれています。
    「今夜は王子様の婚約相手を決める舞踏会よ。
     ドレスの準備は出来たでしょうね?」
    「はい、継母様。」
    春歌が寝る間を惜しんで作った三着のパーティー衣装は
    煌びやかで、継姉達のリクエストの通りに仕上がっていました。
    継母は満足げに頷くと、娘達に着替えるよう指示をします。
    「絶対に王子様を射止めるのよ。」
    灰かぶりは継姉達がドレスを着るのを手伝い
    何重にもお化粧を重ねる様を、にこにこと眺めました。
    そうして春歌は、
    袖が解れ、灰に塗れて元の色が判らなくなってしまったワンピース姿で
    豪華なドレスで馬車に乗り込み、お城へと向かう三人を
    手を振って見送りました。

    直に日は沈み、
    空には闇色の、星屑のカーテンがかかりました。
    丸く浮かぶ月を窓から眺め、春歌は
    お城の舞踏会の様子を想像しようとしましたが
    ぼんやり、朧にしか浮かべられずに
    ふぅ。とため息をつきました。
    王子様にも、ドレスにも興味はありません。
    ですが、ダンスのために演奏される音楽は
    一度でいいから聴いてみたいものです。と
    使い古したオルガンの椅子に腰掛け、
    鍵盤を一つ打ち鳴らしました。
    ポーン。
    父親が残してくれたオルガンは、
    春歌にとって唯一の私物でした。
    物心が付く前に亡くなった母が弾いていたと
    そう聞いています。
    ドから順に押していけば、
    シのところで、音が鳴りません。
    それでも、春歌にとって大切な、
    自分を表現できる唯一の時間でした。
    「継母様達は遅くまで帰ってきませんから、
     今日は好きなだけ、遊んであげられますね。」
    オルガンにそう語りかけて、
    少女は両手を置きました。
    遺された楽譜はほんのわずかで
    それもまた継姉に見つかり、焼かれてしまいましたので
    春歌は自分でメロディを紡ぐ他ありません。
    今日は、お城に住む王子様とお姫様をモチーフにしましょう。
    指が鍵盤の上を跳ね、踊ります。
    ――楽しいパーティーの始まりです。

     *

    そもそも原作をうろ覚えである(笑)。
    【 2012/02/04 02:43 】

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