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    天使といえば、
    白。だよねえ。
    と言う那春さん話。

     *

    ハルちゃんは、白いお洋服がとっても良く似合いますね。
    と、いうのは那月の口癖である。
    (……あれ?)
    違和感を覚え、春歌は首を傾げた。
    (口癖……?)
    思考は止めないままで、手にとった白のブラウスに視線を落とす。
    首元に黒いリボンを結んで着るタイプのもので
    生地は薄く、透けて見える。
    隣に、きちんと畳んで置いてあるブラウスもまた白で
    こちらは生地がしっかりしており、
    襟と袖口にレースがあしらわれている。
    どちらも恋人が好みそうではあるが、若干可愛らしすぎる。
    そっと商品を棚へと戻して、彼女はまた、ゆっくり歩き出した。
    1月も半ば、外はまだまだ寒い時分ではあるけれども
    店内に並ぶマネキン達は春の装いに身を包んでいる。
    ピンク。茶。緑。黄色。白。
    淡い色が、ふんわり、心も軽やかにしてくれる気がした。
    那月くんが一緒だったなら、きっと喜んだだろう。と
    口許が自然と綻んで
    気づいて慌て、きゅっと結ぶ。

    彼が淡い色を好むのは、間違いではない。
    と、春歌は思う。
    ごく稀にではあるが、共に買い物に出掛けることがある。
    ハルちゃん、ハルちゃん、と
    彼が手にとって提示してくる物達は
    思い返せば、淡い色のものが多い気がした。
    女性用の洋服になると、更にそれが当てはまる。
    もちろん、淡い色=彼の思う可愛い、と
    一概にそう言うことは出来ないけれど。
    白が似合う。と
    そう言われたのはいつだろう。
    記憶を手繰り寄せていけば
    確かに、そう言ってもらえたことは覚えている。
    白という色は、他のどんな色とも合わせやすいですよね。と
    春歌はそう返したはずだ。
    「白は、主役にするにはひどく難しい色なんですよ。」
    たしなめるようなその口調は、彼が二つ年上であることを思い出させる。
    その後で、
    林檎せんせぇがそう言ってました、と付け加え、笑うその顔は愛らしく
    一瞬だけ見せたお兄さんの表情が余計、鮮明に胸に刻まれたのである。
    (それから、私服コーディネートの授業についてお話してもらったんでした。)
    那月と音也、真斗の三人は真剣なのに、
    いや、真剣だからこそ、珍事象を引き起こす。
    今度は堪えきれず、手で口許を隠した。
    話題に事欠かなかったアイドルコースの三人は
    年を経てもその友情は変わらずに、
    和気藹々とした姿をお茶の間に届けている。
    彼等との話をする時の恋人は、とっても楽しそうで
    その笑顔を見ることが出来ることが、学生時代からずっと
    春歌を幸せな気持ちにさせるのだった。
    (ふふっ。)
    胸中で笑みを溢して
    ふと、一着のスカートに目が止まる。
    青緑が鮮やかなそれは、白い水玉が散らしてあり、
    ふんわりとした生地で、細いプリーツが入っている。
    裏地の方が丈が長く、レースがひらりと覗くのが、さりげない。
    付属のベルトはリボンを模した茶色で、
    手に取って当てれば、膝が隠れる程良いサイズである。
    (那月くんが、好きそうです。)
    彼が似合うと言った、白も入っているので、きっと気に入ってくれるだろう。
    左手で大事に抱えて、右手で肩にかけたベルトを手繰り、鞄を寄せる。
    レジの年若い店員と目が合って、ぺこり、と会釈した。
    「ありがとうございます。」
    スカートを受け取ってもらい、
    財布を取り出しながら、また考えてみたが、
    どうも、彼が「白が似合いますね」と言ったのは、
    その一度きりのような気がする。
    では、何故――。
    するり。と春歌が両手で持ったはずの財布が
    手から転げ落ちて、レジ台の上に硬貨が散らばる。
    制服を着た女性は驚き、小さく声をあげたが
    春歌が謝ると、
    柔和な笑みを浮かべて拾い上げるのを手伝ってくれた。
    ――顔が赤いのは、失態のせいじゃない。
    内心で悲鳴をあげながら、羞恥で泣きたい位なのをぐっと堪える。
    ああ。私。わたし。
    気づいてしまった、その答え。
    口癖だと勘違いする、それだけの頻度で、
    何度も何度も、再生していた――。
    ハルちゃん、とっても可愛いです。と
    彼にそう言ってもらいたくて。
    「ありがとうございます。」
    笑顔で手渡された買い物袋の中身だって。
    無意識って、すごく、怖いです。

     *

    売り場が春色です。
    うきうきします。
    私は無地のモスグリーンのプリーツスカートが欲しいです。
    春ちゃんのレジ打ちたいです。
    今日もバイト頑張りましたよ。
    卒論も頑張りましょうね(笑顔(
    【 2012/01/20 01:31 】

    | 迷子[うたプリ] | コメント(0) |
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