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    クリスマスイブなので - 那春3 -
    クリスマス企画。これにて終了です。
    なんというか、
    別にたいしたことしてないんですけど
    でも、なんだろう
    いかがわしいので、わんくっしょん。









    「末端冷え症なんです。」
    ソファの、僕の隣に腰掛けたハルちゃんは
    僕の視線にそう答えて
    はぁ。と指先に息を吹き掛けます。
    細くて、白い、愛らしい指だと、いつも思います。
    鍵盤の上を滑る姿も素敵ですが
    左右を絡めて、胸の前に組むと
    ケーキの上に飾られる砂糖菓子みたいです。
    「悴んで、思うように作業が出来なくて。」
    眉を八の字に下げて、ハルちゃんは苦笑する。
    僕が訪ねた時、彼女は作曲の途中で、
    今も机の上には、五線譜が広げられています。
    「足元も指先から冷たくなってしまうんです。」
    黒に近い、濃い色のタイツに覆われた足の先に視線を落とし、
    はぁ。と再び吐き出された彼女の
    悩ましげな吐息に合わせて、顔をあげる。
    「僕が、暖めてあげましょうか?」
    僕はそう言って、返事を待たず
    解いて広げた小さな両の手を、自分の手で包み込んで
    ぎゅっと、握りしめました。
    その指先は思っていた以上にひんやりしていて驚きます。
    僕のこの体温が、彼女に伝わればいいな。
    「那月くん……。」
    頬を赤らめて、ありがとうございます。と言うハルちゃんを見て
    こうやって、彼女の役に立てるのはすごく嬉しいなと思う。
    それから、もっともっと頑張りたいって考える。
    じわじわとぬくもりが移るのが、もどかしく感じます。
    手を繋いでいるこの瞬間は大好きなんですけど
    ハルちゃんはお仕事の途中なので、
    はやく暖めてあげないといけません!
    はぁ。と、
    彼女がそうしていたように、僕も息を吹きかけてみました。
    ハルちゃんがぎゅっと目を閉じるので
    嫌だったかな。と表情を伺うと、
    ふるふる。と首を横に振って、否定してくれました。
    それならば、もう一度。
    吹きかけた吐息によって、熱が灯るのがわかりました。
    「ありがとうございます……。」
    「ふふっ、嬉しいなあ。」
    最後の仕上げに、あたたかさを思い出した指へと
    そっと唇と押し当てたら、
    「な、那月くん?!」
    途端、ハルちゃんがますます赤くなりました。
    彼女が大好きな、苺さんみたいです。
    「ああ、これが一番効率が良かったみたいですねぇ。」
    指先だけでなく、頬からも蒸気が上がってしまうほど
    熱を帯びた様子をみて、
    僕は満足して頷き、ソファからするりと降りました。
    するりと外した手を今度は足に添えて、
    「え?!」
    驚いて声をあげるハルちゃんに、
    「足の先も冷えてしまうんですよね?」
    首を傾げます。
    「た、確かにそうですが。」
    絨毯の上に座り込んで、
    ふくらはぎから手でなぞり、指先へと辿っていきます。
    「本当。冷たくなっていますね。」
    「あの。手があたたかくなってくれれば、
     お仕事は再開できるから……ひゃっ!」
    僕が息を吹きかけると、ハルちゃんが小さく息を飲みました。
    「こんなに冷たいと、心配になってしまいます。
     だから、ね、僕にまかせて?」
    「あ……はぅ。」
    タイツ越しでも冷たいとわかるそこを
    手で包み込んで、力加減に気を配りつつ、撫でる。
    「んっ。」
    視線をあげると、恋人は口をきゅっと結んでいて
    その表情に、胸が熱くなりますが、
    ふるふると首を振る。
    僕は我慢を覚えたんです。
    お仕事中のハルちゃんの邪魔をしたらいけません。
    だから、早く、暖まってください。
    祈るように、
    爪先に息を吹きかけて、キスをする。
    「那月くん……駄目……!」
    「……はい、もう大丈夫です!」
    「ふぇ……。」
    「僕、ハルちゃんの役に立てましたよね?」
    見上げた彼女は、ほんのり目に涙が溜まっていて、
    また、何か失敗してしまったかな、と不安になったけれど。
    「ありがとうございます~…。」
    ハルちゃんは真っ赤な顔を両手で覆い隠しはしたものの
    お礼を言ってくれたので、
    ほっと安堵して、笑顔でこう返しました。
    「また冷たくなったら、言ってください。
     僕があたたかくしてあげますね。お姫様。」


    ――次のオフの日。
    ハルちゃんから買い物に行きたいです。と言われました。
    「スリッパを買います!」
    「うわあ、可愛いものを一緒に探しましょうね!」
    そうして購入した、もこもこのうさぎさんスリッパを
    彼女は冬場の間、絶対に脱ぐことはありませんでした。
    【 2011/12/27 03:47 】

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