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    クリスマスイブなので - レン春 -
    イブどころか、クリスマスがおわry
    レン春さん書くのはじめてだ。



    彼女はとても温厚で
    自分がどんなにきつくあたったとしても、
    泣いたり、傷ついたりすることはあっても
    怒ることなんてなかった。
    ――それが、今。
    目の前にいる彼女は無言で、
    部屋に落ちる沈黙に、居心地が悪く
    乾いた咳を二つ、割り込ませる。
    それを聞いた春歌は黙ったまま、
    すっと立ち上がり、部屋から出て行ってしまった。
    呼び止めようと発した声は掠れていて
    彼女が大好きだと、そう微笑む美声とは
    まったくの別物になってしまっていて
    自嘲が音もなく零れ落ちる。

    風邪を引いた。
    昨晩帰宅した際に
    なんだか熱っぽいなと思っていたが
    朝、目覚めてみれば、
    アイドル神宮寺レンの最大の武器である声が
    まったく出なくなっていた。
    事務所にメールを送信しながら、
    体調管理も仕事のうちだというのに、情けない。と
    弱った心で布団を被り、
    この声を聞かれたら、ハニーは幻滅してしまうのかな。と
    ふと、そんな考えが頭を過ぎった。
    もちろん、薄情な子じゃないって信じているけれど
    連絡をするのは憚られて
    一人、家で大人しく寝ていれば治るだろう。と
    そう思っていたのに。

    空腹で目覚めたときには、太陽は沈もうとしていて
    どこから連絡がいったのか
    ベッドの傍らには、愛しい恋人の姿があった。
    一言二言、やりとりをした以降
    彼女はずっと黙ったままで
    何故怒っているのかがわからない以上
    レンも迂闊に声をかけられず
    結果が、これである。
    瞳が潤んでいるのは、熱の所為。
    身体をベッドの、シーツの海に沈めて
    天井の照明がまぶしくて、腕を覆った。

    「じ……ダーリン、食欲はありますか?」
    そうして、嗅覚が機能していないので、まったく気づかなかった。
    「……帰ったんじゃなかったのかい?」
    「どうして?」
    首を傾げる春歌の膝の上には、ほんのりと蒸気を漂わせる粥があって
    彼女はそれをレンゲで掬い
    「その、薄味で、ダーリンの口に合う味ではないかもしれませんが。」
    ふうふう、と息を吹きかけて冷ましてから
    レンの方へと差し出す。
    「……怒っていたから。」
    声は相変わらず掠れていて、拗ねた子供のようだ。
    「確かに、怒っていましたけれど。」
    彼女の言う通り、そのお粥は一味足りなかったけど
    とても優しい味がした。
    「ダーリン。風邪を引いたときは、甘えるのがお仕事なんですよ?
     覚えていてくださいね。」
    ちゃんと連絡してください。と頬を膨らませる恋人を
    ご馳走になれたらきっと、すぐに元気になれるんだろうけど。
    そんなことを言ったらまた怒られてしまいそうだね。
    だから、今は、
    力の入らない手を伸ばして、
    彼女を抱きしめて、ぬくもりを感じるだけで、我慢しておくよ。
    【 2011/12/26 00:49 】

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