スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    【 --/--/-- --:-- 】

    | スポンサー広告 |
    クリスマスイブなので‐那春‐
    きっかけは、故郷を巡るというコンセプトの旅番組に
    那月くんが出演したことでした。
    フランスで奏でたウ゛ァイオリンとウ゛ィオラの音色は
    ネットの力も借りて、瞬く間に世界に広まり
    四ノ宮那月は日本のアイドルとして活躍する一方で
    稀に、欧州でのイベントにもお呼ばれするようにもなりました。

    海外のお仕事に行ってしまうと
    連絡を取り合うのもなかなか難しいのですが
    彼と出会ってから、3年の月日が流れた今、
    お仕事と感情との付き合い方が上手になったように思います。
    「そろそろですね。」
    編曲途中のパソコンの画面から時計へと目をやって、
    恋人の帰宅を思って、一人で顔を綻ばせる。
    今回はどんなお土産話を持って帰ってきてくれるでしょうか。

    「ただいま帰りました~!」
    「おかえりなさい!」
    「あ、ハルちゃん、動かないで!」
    「え、あ、はい!」
    玄関まで駆けて行き、出発前と変わらぬ、いつもの笑顔で
    靴を脱いだ那月くんが静止を命じるので
    私は戸惑いながらも、素直に固まり
    頭の上に、何がそっと乗せられました。
    「那月、くん?」
    「ああ、可愛い。思っていた通りです!」
    「あの?」
    「お土産です。」
    にっこり。
    満面の笑みも1週間ぶりで、嬉しいなあと思いますが
    「お土産、ですか?」
    手を伸ばして、それに触れると
    しゃらん。と音がなります。
    丁寧に細工が施されているのはわかりますが
    手だけでは、髪飾りであることしかわかりません。
    「ウィンドウに飾ってあったのを見て、ピピって来たんです。
     本当によく似合っています、僕の可愛いお姫様。」
    そう言って恋人は、
    未だ全貌が掴めない髪飾りに伸ばしていた私の左手を捕まえ
    薬指に優しくキスをくれました。

    「お姫様」という表現は、那月くんの口からよく出ますので
    何気なく聞き流していましたが
    玄関からリビングへと移動して、
    鏡に写った自分の姿、
    正確に言えば、頭上に飾られたティアラを見た瞬間
    このことですか! と合点がいったと同時に
    キラキラと白く輝く控えめな量ではありますが、どうも本物らしい宝石と
    細やかなデザインに絶句し
    値段を聞くか聞くまいか、思い悩みます。
    そんな私とは対照的に、彼はとってもご機嫌で
    にこにこと、飽きることなく、私と自らが選んだ装飾品を見つめています。
    「那月くん。あの、これ、」
    「はい、なんでしょう~?」
    「とっても嬉しいのですが……使い道が……。」
    何のことだろう。と首を傾げる彼に
    私は今着ている、どこにでも売っているスカートを摘まんで広げ
    「このティアラに似合うお洋服を持っていないので……。」
    と言いましたが
    「じゃあ次は、
     そのティアラがよく映える、素敵なドレスをプレゼントしましょうね。」
    と、笑顔で返されてしまいました。
    そういう意味ではなかったのですが!
    墓穴を掘った気がします。
    この調子でドレスまで贈られたら大変です。
    そんな高価なものをいただくわけには!
    くらくらと目眩がして
    私は彼の
    「もちろん純白のドレスで、
     僕の隣で、僕だけのために着てくださいね。」
    という言葉を聞き逃してしまったのでした。
    【 2011/12/25 03:29 】

    | 企画 | コメント(0) |
    <<クリスマスイブなので‐HAYA春‐ | ホーム | クリスマスイブなので‐真春‐>>
    コメント
    コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    | ホーム |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。