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    かきかけてますよ。
    (最終更新11/24 13:30)

    もう少し書き足したい…です。はい。

    ☆行き違う

    「どうして……?」
    今度は私が、そう聞く番でした。
    「那月くん、協力、してくれないんですか?」
    声が震えて、手を、自分の手でぎゅっと握りしめます。
    「那月くん。」
    「春歌の涙を、僕の声が呼び起こしてしまうのなら、僕には、言えません。」
    「泣きません。」
    「春歌が、泣いてしまうかもしれない。
     と、そう思ったら、この声は奪われてしまう。
     たとえ一筋であろうとも、その可能性があるのなら、僕は……。」
    覆い被さるように、彼は私を抱きしめました。
    その優しい匂いが、今は悲しくて仕方ありません。
    「大丈夫です、堪えます。」
    私は、選ぶ言葉を間違ってばかりです。
    「堪える、なんて、そんな悲しいことを言わないで下さい。
     あなたの心からの笑顔を、願ってはいけませんか?」
    そう言う、あなたの笑顔を曇らせています。
    唇を押し当てられれば、
    からっぽの言葉に、更に封をされた気持ちになりました。
    触れ合うと、いつもなら、心はドキドキと音を立てるのに、
    今は、ズキズキと痛むばかりです。
    かかる吐息に、悲しみの温度を感じる。
    重ねているだけで、通じ合えない。
    キスの後の、彼のため息に、怯えてしまう程。
    「あなたの瞳から溢れた雫が、
     想い描く音の景色を再現できない苦しみから生まれたのなら
     僕は、それを拭い去ってあげたかった。」
    でも、そうじゃなかったんですね。
    大好きなその声が、掠れていて、
    絞めつけられる痛みに、口で息をして
    私は、ただただ、恋人を見つめます。
    「ハルちゃん。僕の前で泣かないで。と言ってるんじゃないんです。」
    「それは……わかります。」
    私の声は、どこから出たのだろう。
    誰か、別の人がいるみたい。そんな錯覚の中。
    「僕の前では、優しく綺麗な……ビー玉みたいに美しい心のまま、素直に
     泣きたい時には、雨を降らせて、
     笑いたい時には、お日様の光が降り注ぐような微笑みをください。
     そのどちらも愛らしい姿の、僕の可愛い可愛いお姫様、」
    瞼に落ちたキスに、目を閉じる。
    「今この瞬間は、僕はあなたのためだけのアイドルです。
     お姫様に笑顔を届けるのが、僕の使命ですから、
     もし、何よりも大事なあなたを泣かせてしまったら、
     お役目を剥奪されてしまいます。」
    那月くんの言いたいことを、一生懸命咀嚼します。
    私が悲しまないように。
    泣かないように。と、考えてくれているんですね。
    それならば。
    「私のためを思うなら、那月くん、」
    演じてください。と言おうとしました。
    私は恋人だけど、仕事仲間としても向き合いたくて。
    でも、もしかしたら、
    それこそ、私の我儘でしょうか。
    彼が恋人だから、と甘え過ぎているのでしょうか。
    ――本当は、一人で解決しなければいけなかったのかもしれません。
    私は、プロになったんだから、
    望まれたものを、きちんと、納期に提出するのがお仕事だから、
    那月くんの手を煩わせてはいけなかった――?
    甘えていいと言ってくれたのは、
    私があなたの恋人だからですか?
    私があなたのパートナーだからですか?
    「はい、僕は、弱いままではいけませんね。
     変わるって、そう決めたのに。」
    那月くんが、私の言葉を引き継ぐ。
    意図を、取り違えて。
    「それ、は……。」
    「あなたの作った曲はすべて、完璧に歌いこなさないと……。」
    「那月くん、」
    「大丈夫です、ハルちゃん。」
    いつもと変わらない笑顔を痛々しいと想うのは、気のせいではないはずです。
    「それでは、意味がないんです……。」
    私は彼よりもっと、ひどい顔をしている。
    上手に笑えなくて、
    見られたくなくて、
    どうしようかと考えていたら、また那月くんの腕の中にいました。
    これで隠せる。と安堵してしまうことも、申し訳なくて。
    涙を見せてしまったことも。
    このタイミングで言ってしまったことも。
    私の肺には後悔が充満して、
    吐き出さないと、息が出来なくなりそうです。
    「那月くん、私は、あなたが歌いたいと思う曲を作りたいんです……。」
    そうやって無理矢理押し出せたのは、
    拙くぼんやりとした、先に言ったことをなぞるだけのもの。
    「春歌が作った曲を、アイドル四ノ宮那月は歌いたいんですよ?」
    「この曲はまだ、完成していないから――っ、」
    私の声を遮ったのは、
    那月くんではなく、第三者の存在でした。
    【 2011/11/23 17:43 】

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