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    続・さっちゃんと一緒4
    それぞれが教科書とノートをテーブルに並べる。
    俺は那月のノートを出しかけて、止めた。
    中には可愛らしいぴよちゃんやうさちゃんのイラストが描かれていて
    それを指摘されて、うっとおしい思いをするのは容易に想像できる。
    部屋に帰ってから一人で眺めることにするか。
    さっそく手持ち無沙汰になる。頬杖をついて、仲良しこよしを眺めていれば
    「うわぁ、いつ見ても、七海のノートは綺麗だよね!」
    一十木が、隣に座る春歌に顔を寄せ、
    ノートを覗き込む。
    ――おい、顔が近すぎじゃないのか?
    春歌も驚いていて、少しだけ顔を赤らめたが
    ノートに視線を落とし、
    「試験範囲はここからですよね?」
    と、ページを捲る。
    「うっわ、そんな前からなんだ。多いなぁ。」
    「頑張りましょうね。」
    「うんうん! さっそくなんだけどさ、」
    一十木はノートに指を置いて、春歌を伺う。
    「ここ、全部わかんない。」
    「全部ですか?」
    くすくす。と春歌が笑う。
    同じ年だからだろうか、一十木には随分くだけた態度をとるじゃねぇか。
    距離が近いことも、あまり気にならないらしいが、
    俺が気に入らない。
    それは、那月が二人の様子を見たら悲しむだろうと考えたからで
    「お前はこっちだ。」
    「うわっ?!」
    俺が、春歌の笑顔を向けられる一十木に嫉妬なんかしてないぞ?
    後ろ襟を掴んで引けば、
    「砂月、首、絞まる、絞まってるって。」
    一十木は、じたばたともがく。
    動きがやはり犬っぽい。いい眺めだな。
    「俺に教えろって言ったよな?
     いいぜ、たっぷり教えてやるよ。」
    「砂月……もしかして、かまってもらえなくて拗ねてた?」
    どういう思考回路をしているんだ、こいつは。
    苛立ちのままに、襟を今度は上方向に引いておいた。
    「ギブ! ギブ! 砂月! 無理!」
    「四ノ宮、もう許してやれ。」
    悲痛な叫びに、ノートから顔をあげて聖川がそう言った。
    「マサぁ。」
    「うるさくて敵わん。」
    「そっち?!」
    「うるさいのには同意だな。」
    俺がぱっと手を離すと、一十木の腰はぽすん。と椅子に着地する。
    「あんたが一番まずいんでしょ。遊んでないで真面目にやりなさい。」
    渋谷に関しては、教科書から視線を上げもしない。
    春歌がまた、くすくすと笑った。おい、お前が発端だぞ。
    「俺、遊んでないのに……。」
    と呟きながら、一十木がノートを俺に差し出してくる。
    「ここと、ここと、ここと、それから、ここから先全部、ワカリマセン。」
    「あぁ?」
    「えっ、教えてくれるってついさっき言ったじゃん?!」
    「この位暗記しろ。」
    「横暴過ぎるよ、砂月……。」
    がっくりと肩を落とす一十木に教科書を出せと命令し、
    「とりあえず5分やる。全部詰め込め。
     その後、俺がテストしてやる。」
    「5分?!」
    「ちなみに、間違ったら……、
     どうなるかわかってるよなぁ?」
    悲鳴をあげて、ノートを両手で掴み、必死に読み進める一十木の
    向かいに座る聖川は、
    「図書館ではなく、食堂に場所を移して正解だったな。」
    と、ため息を吐いていた。
    「はい。なんだか楽しいです。」
    春歌がにこにこと笑って返事をして、
    「あんた、那月に似てきたわねぇ。」
    渋谷がその頭を撫でていた。
    確かに、今の台詞は那月が言いそうだ。
    ……その程度では、懐柔はされないからな。
    教科書でそっと、顔を隠した。

     ***

    さっちゃんがデレすぎかしら……。
    【 2011/11/03 01:01 】

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