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    ごろーごろー
    眠れない\(^o^)/

    ☆ぴよちゃんの絵文字

    そんな風に、しばらく抱き合っていると
    どうしてそんな流れになったのか思い出せなくなって
    二人で笑い合って。
    お腹が空いたので、先に夕飯にしようということになりました。
    今日は一緒に、ハンバーグをメインにしたディナーです。
    「今日のお仕事はどうでしたか?」
    向かいに座るパートナーに投げかけると、笑顔が返ってきます。
    「はい! 後輩さん達の前でヴィオラを演奏したんですけど
     皆さんとっても可愛くって、目がキラキラしていました。」
    ヴィオラを持っていくと聞いて、実は心配していたんです。
    でも、この表情を見てほっと安心しました。
    本当に楽しいと感じてる時に浮かべるその笑顔は
    キラキラ、見ている人も笑顔にしてしまうんです。
    テレビでもよく映されるそれを
    真正面から見ることのできる私は幸せものだなあと、胸があたたかくなります。

    私の心を読んだように、那月くんは言います。
    「あなたに出会ってから、ヴィオラを奏でることを純粋に楽しいと
     そう、思えるようになりました。
     好きな音を、めいいっぱい歌わせていいってわかったんです。
     ね、春歌。僕のミューズ。」
    そんなたいそうな存在ではないのですが、
    那月くんの苦しみを取り除けているのなら、嬉しいです。
    ふんわり、優しさで包み込むこの笑顔は、
    テレビの中では見せない、私だけに向けられるものだって、
    そう信じています。
    「それで、日向せんせぇが呼んでいた作曲家の人に、いい音だって言われて
     これを演奏してみろと、楽譜を渡されたんです。」
    そう言って那月くんは一度食事の手を止めて、カバンからその譜面を取り出します。
    「見てもいいんですか?!」
    自分でもわかる程、弾んだ声が出ます。
    「はい、持って帰っていいって言われたので、
     遠慮なくもらってきちゃいました。」
    その譜面はみんなの憧れと夢をいっぱいに詰め込んだ、心が弾んで踊りだしたくなる、
    明るいお日様、これぞアイドル曲です。
    すっごく魅力的ですが、
    「これをヴィオラで、ですか?」
    クラシックにはないであろう音運びに、胸がドキドキします。
    「はいっ! 面白いでしょう?!」
    「はいっ! すっごく!!」
    聴きたいです、今すぐに! と言いかけて、
    夕飯中であることを思い出して、口を噤みました。
    ……いつの間にか腰も浮いていました。
    これはかなりお行儀が悪いので、反省です……。
    ハンバーグを食べる作業に戻った私に、
    那月くんは、今日あったことを嬉しそうに話してくれました。
    その作曲家のおじさんは
    楽譜をその場で、ヴィオラで演奏できるようアレンジしてくれて、
    演奏をしながら的確に指示を出してくれたそうです。
    その通りにすると、音が弾んで、
    生徒さん達は圧倒されて、でも、楽しくて仕方がない、
    曲のイメージ通りの晴れやかな表情を浮かべたのだとか。
    那月くんも自然と楽しくなって、思うままアレンジを加えたら
    その効果を支え、伸ばす指示が飛んでくる。
    「本当に楽しい時間でした!」
    最後をそう締め括った彼に、
    「はい! お話を聴いているだけでわくわくして……!」
    私も笑顔で、その場に流れる音の世界を想い描く。
    学生さんが羨ましいです。

    那月くんも私も、すっかりお話に夢中になってしまっていて
    「ご飯が冷めちゃいましたね。」
    と、笑い合います。
    私はとにかく早く演奏を聞きたくて、
    夕飯をえいえいとお腹に詰め込もうとしました。
    「そんなに急いで食べると、危ないですよぉ?」
    しかし、やんわりと、目の前の人に制されます。
    「それに、演奏するのは僕ですから
     あなたはゆっくり食べていいんですよ?」
    確かに、彼の言う通りです。
    「僕は、春歌の手料理を十分味わいながらも、
     急いで食べますから。」
    「いえ! そんな、お気になさらず!
     ゆっくり食べなきゃ体に毒です!!」
    「じゃあ、あなたもゆっくり食べて下さいね?」
    にっこり。有無を言わさぬ笑みに、
    「はい、ごめんなさい。」
    私は素直に謝りました。
    那月くんが微笑む。
    罰が悪かった私も、つられて微笑んでしまう
    親しみのもてる、あたたかい笑顔でした。
    【 2011/10/31 05:21 】

    | 迷子[那春さん] | コメント(0) |
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