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    突発的に
    音春さん。可愛いよ可愛いよ。

     ***

    「ただいまー。」
    「おかえりなさい。」
    「えっ?!!」
    仕事が終わって、一人暮らしの寮の家に帰ってきた俺を
    愛しい声と、美味しそうな夕飯の匂いが出迎えてくれる。
    声だけでは信じられずに、靴を放り投げて
    (なんで今日にかぎって紐靴を履いてるんだよ!)
    キッチンへと走った。
    「音也くん?」
    シンプルな無地のエプロンをつけた彼女が
    火にかけた鍋からこちらへと振り返り、
    肩で息をする俺に驚いた顔をする。
    「そんなに急いで、どうしたんですか?」
    この間、俺は彼女に合鍵を渡した。
    仕事が忙しくて、擦れ違う日々にもう耐きれなくって
    彼女も、会いたいです。と可愛いこと言ってくれたから
    夜中でも朝方でも、いつでも、会いたくなったら侵入していいよ。って言って。
    音也くんの迷惑にならない程度に、御守りとして持っておきます。と
    彼女は笑っていたけれど、
    まさか、こんな風に、帰りを待っててくれるとは思ってなくて。
    「ねえ、これは夢?」
    いつか、憧れていた家族の図。
    「えっ。」
    俺の呟きに、春歌が目を瞬かせる。
    きょとん。とした顔も可愛らしい。
    たまらず手を伸ばして、彼女の身体を抱き寄せた。
    「音也くん?!」
    「ただいま!」
    夢じゃないって、確かめさせて。
    このぬくもりが、嘘じゃなく、確かにここにあるって。
    「はい、おかえりなさい。」
    俺の胸の中で、春歌が微笑んだ気配がした。

    ぬくもりを感じるのも好きだけど、
    今は笑顔を見たくて、身体を離す。
    「作曲は?」
    「終わりました! 音也くんに早く聴いてもらいたくて、頑張りました。」
    鍋の火を消して、パートナーは嬉しそうに仕事の報告をする。
    「あ、頑張ったのは確かなんですが、
     音也くんの曲は、頑張らなくても音がいっぱい溢れるんです。」
    出会った頃から比べると、彼女はたくさん話してくれるようになった。
    それがまた、嬉しくて仕方ない。
    「うん、そっか! 嬉しいなぁ!」
    アイドルとして、パートナーとして、愛されているっていうのは
    俺っていう人間を認めてもらえてるみたいで
    心が満たされて、
    これが、幸せってことなのかな。
    「音也くんも、」
    「うん?」
    「今日はとても、にこにこしています。
     お仕事が楽しかったですか?」
    仕事も楽しかった。
    だけど、そうじゃなくて、
    この気持ちは皆、君がくれたんだ。
    「あ。ご飯作りました。
     待っている間、暇だったので……。
     一緒に食べませんか?」
    家族って存在は
    望んでも仕方がないって
    今ある状況を幸せに思おうって
    そうやって生きてきて。
    でも、そうか。
    家族は、これから作ることが出来るんだって気づいた。
    毎日、他愛もない一日の話をして
    美味しい食事があって
    愛する人の笑顔がある。
    「春歌!」
    「は、はいっ!」
    驚いて返事をする彼女の、その手をとって
    「結婚しよう!」
    「えっ。」
    まっすぐ、その瞳を見つめて、俺は今のこの気持ちを正直に言葉にした。
    「えええっ?!!」
    春歌の顔が、みるみる赤く染まっていく。
    ああもう、そんな素直な反応も可愛くて仕方ないんだ!
    「いつか、絶対、結婚しよう!」
    一緒に暮らして、
    毎日、帰ったら君の笑顔がある。
    その時を想像して、
    その幸せは想像しきれなくて、
    だから、君に教えて欲しい。
    「俺、早く一人前になるから。
     春歌と一緒に暮らせるように、認めてもらえるように、頑張る。」
    例えば、
    アイドルという仕事を選んでいなかったら。
    と考える。
    きっとずっとシンプルで、お互いの気持ちだけでどうにかなったんだろう。
    だけど、アイドルとして君の紡いだ想いを歌う、
    口下手な君の心を代わりに皆に届けることも、譲れなくて。
    少しずつ増えてきた、応援してくれる人達の期待だって
    俺は裏切りたくはないから。
    「はい。」
    こくん、と小さく頷く恋人を、堪らずぎゅっと抱きしめた。
    わかっています。
    それでも音也くんについていきます。と
    彼女は言ってくれるんだ。
    ありがとう。大好き。
    「絶対離さないから!」
    そう言って、髪にキスをすると、
    おずおずと細い腕が俺を包み込んで
    「はい、離れません。」
    ぎゅっと、身体が近づいた。

    このぬくもりを幸せと言おう。
    【 2011/10/30 14:27 】

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