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    創作以外に無気力なう。
    俯く君の、その髪に手を伸ばしかけて。
    それは俺の役目じゃないことに気づく。
    ああ。あの日。ちゃんと手を伸ばしていたらなあ。
    少しだけ、胸が痛い。
    でも、今、彼女を笑顔にできたのは俺の言葉だよね?
    あの日の恩返しが、できたかな。

    どうか、幸せになって。
    二人とも大好きだよ。その気持ちに嘘はないから。

     *

    AAダム様ルート中のハルちゃんとオトくん。
    Repeatネタバレあります!



    気分転換しよっか。
    一十木くんの提案でやってきたのは、早乙女学園の敷地内の
    裏庭でした。
    ベンチに腰掛け、手渡された紙パックジュースを両手に持って、
    隣の彼を真似して、空を眺めます。
    ただ、それだけなのに、涙が浮かんで、私はまばたきをします。
    「七海は、マサのことが好き?」
    「はい。」
    大好きです。
    それなのに、どうしていいのかがわからない。
    曲を作ることしかできないのに、それさえも滞って、
    「一十木くんにも迷惑をかけてしまって……。」
    声が、震えてしまいました。心配をかけてしまう、彼は優しいから。
    どうしよう。誤魔化さないと。
    「……諦めたくないんだよね、七海は。」
    まるで。
    私の気持ちを代弁するように。
    「マサが七海のために頑張るように、七海だって、頑張りたいんだ。」
    一十木くんの声は、暖かくて、優しくて
    声を出したら、目から雫が落ちてしまうから、私は何度も頷きます。
    「うん。そうだよね。
     そんな七海だから……俺は応援したくなるんだ。」
    立ち上がって彼は、空を仰ぎ見ます。
    何かあるのかな、と視線を追いましたが、雲が流れるばかりです。
    「俺、さ。
     入試の日に七海と会ってるんだ。」
    「え?」
    入試の日に、一十木くんと?
    こんな魅力的な人と出会っていたのなら、絶対に忘れないと思います。
    「覚えてないよね? だって、俺、見てただけだから。」
    「???」
    「あの日は、雪が積もってて。」
    「はい。」
    早乙女学園までの坂道が、雪で滑って、たどり着くまでに何度転んだことか……。
    「ごめんね、本当は、助けてあげるつもりだったんだけど。
     七海は、何度転んでも、諦めなかったから。」
    思い返した私の記憶をなぞるように、彼が言葉を続ける。
    見られていたんですか……それは、とっても恥ずかしいです。
    「俺、たぶん、あのときからずっと、
     七海のことが大好きだよ。」
    それは、
    告白というには、あまりにも自然過ぎて。
    茫然と、彼の背中を見ていたら、くるりと振り返って、いつもの笑顔で笑う。
    「一生懸命で、不器用で、絶対に諦めないところ、大好き。
     そういうところ、マサとそっくりだよね。」
    「真斗くんと……?」
    「うんうん。俺、マサのことも大好き。
     那月も、友千香も、トキヤも、レンも、翔も、みんな。」
    「それは、友達だから?」
    「うん、そういうこと。」
    とびきりの笑顔が、私一人に向けられる。
    知らず緊張していたのでしょう、ほっと息を吐いて、
    「私も、一十木くんのことが大好きです。」
    笑顔で、ありがとうと言えました。
    恐れ多い誤解をしてしまって、それは少し、いや大分、恥ずかしいです。
    「そう、笑ってて。マサにとって一番の回復薬は、
     七海の可愛い笑顔だって、絶対!」
    一十木くんには、青空が似合うなあ。そんなことをぼんやり思いながら。
    「一十木くんみたいに、まっすぐ伝えられたらいいなぁ。」
    そう呟くと、にっと彼は笑います。
    「言えるよ。俺が保証する!」
    まっすぐな瞳に後押しされて、
    「はいっ!」
    大きな声で返事をしました。
    「じゃ、気分転換はおしまい!
     続きも頑張ろうな、七海。」
    「はいっ、ありがとうございます!」
    【 2011/10/21 09:58 】

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