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    ぴよちゃん画伯
    やっと。

    ☆夕飯ですよ。

    ケチャップで描かれたぴよちゃんは本物に忠実過ぎて
    那月くんの才能に恐れすら抱きながら
    私はハートマークを描かせてもらいました。
    なんだか、とっても照れてしまいます。
    那月くんがオムライスの皿を運んでくれて、
    私は彼の後を追って、スープを二人分持って行きました。
    テーブルの上に並べます。
    「はい、春歌の席はこっちです。」
    にこにこと笑って那月くんは、自分の目の前をぽんぽんと叩きました。
    「えっと、ご飯を食べるんですよね?」
    戸惑いながらも、彼の言う通りの場所に座ると
    ぎゅっと後ろから抱きしめられます。
    「ええ、ご飯の時間です。
     でも、言ったでしょう? あまり長くは待てません。って。」
    私の背中に、ぴったりと体をくっつけて
    那月くんは左の手でオムライスの皿を引き、
    右の手にスプーンを持ち、ご飯を一口分掬いました。
    「はい、春歌、あーん、して?」
    「あの、自分で食べれます……。」
    「ん?」
    私の意見を聞く気はないようです。
    たまに強引で、そんなところも可愛いと思ってしまいます。
    那月くんはずるいです。私が許してしまうって知ってるんです。
    小さく口を開けて、肩に頭を寄せて私を覗き込む彼に目で合図します。
    「春歌、とってもとーっても可愛いです。」
    「は、恥ずかしいので、早く食べさせてくださいっ。」
    「はぁい、どうぞ。」
    口の中に触れる、スプーンの感覚と、卵の味。
    唇を閉じたら、ゆっくりと引き抜かれて、
    彼がにこりと笑います。
    「どうですか?」
    「恥ずかしいです……。」
    「どうして恥ずかしいんですか?」
    「どうしてって……。」
    彼が私の顔を覗き込むと、抱きかかえられてるおかげで
    すごく、近いです、那月くん。
    早く言ってくださいと、
    人差し指が、私の唇に触れて、
    のぼせたみたい。くらくらします。

    「那月くんのために作ったので、冷めないうちにどうぞ!」
    ぎゅっと目を閉じて、
    私は、彼の興味を夕食に持っていこうとしました。
    けれど、
    「はい、もちろんいただきます。
     春歌が食べさせてください。」
    頬にキスされて、おずおずと目を開けると
    笑顔が飛び込んできました。
    それは、有無を言わさない微笑みでした。
    こんな顔もできるんですね、つい見惚れてしまって
    それから、ハッとします。
    「もう、自分で食べてくださいよぅ……。」
    食べさせられるのと同じ位、もしかしたらそれ以上、ドキドキするので
    私は珍しく、拗ねた声で返してみました。
    那月くんばっかり我儘言うんですから。

    友達も、恋人も
    初めてだから、どう反応していいかわからなくて
    嫌われるのが怖かったのかも。
    でも、少しずつ、
    こんな表情だって、那月くんだったら―――。

    「ふふ、ハルちゃん可愛い。」
    ほら、にっこり笑って、許してくれた。
    私はふぅと息をついて、
    那月くんから手渡されたスプーンをしっかり握ります。
    だって、待ってるって顔をするから。
    私はどうしても、那月くんに甘いのです。

    一口分はどの位でしょう? チラチラと那月くんをうかがいながら掬って
    恐る恐る、口へと運びます。
    こうやって近くでまじまじと見ると、整った顔立ちだなぁと感じます。
    睫毛も、私より長いかも……。
    「は、はい、あーん、してください……。」
    その台詞を言うのがとっても恥ずかしい。
    那月くんは満足げに微笑んで
    「あーん。」
    ぱくり、オムライスを食べました。
    ……可愛いです、那月くん。
    それで気を抜いてしまった私は、
    「あっ。」
    スプーンを抜く際に、那月くんの唇にケチャップをつけてしまいました。
    ごめんなさいを言うよりも早く、
    那月くんは自分の舌で、ぺろっと舐め取ります。
    い、い、今の表情は、アイドルさんらしいといいますか
    色気があったといいますか
    ギャップ萌えとでもいえばいいんでしょうか、
    悩殺されてしまいそうです。
    照れてしまいますー!
    「どうして真っ赤になるんですか?」
    口の中のものを飲み込んで、きょとんとする彼に
    私はぶんぶんと首を横に振って答えました。
    「美味しかったですか?!」
    2回目の、無理矢理な話の切換に
    「はい! とっても美味しいので、早く次もください。
     あっ、スープもです。」
    にこにこにこ。
    「えっ、一口だけじゃないんですか?!」
    「春歌の料理を美味しく食べたいんです。」
    「はうう。」
    「それに、僕の今、天使を捕まえているので手が放せません。」
    ぎゅう。那月くんが両手で私の腰を抱きしめます。
    「その、て……天使……は逃げたりしませんから。」
    自分で天使と言うのは本当に恥ずかしいです。
    那月くんの言葉にはずいぶん慣れたのですが。
    「嫌、ですか?」
    「ううっ。」
    那月くんに惑わされ続けて、私の常識はもう風に吹かれて、どこへやら。
    それならばいっそのこと、この羞恥心も飛んでいってしまえばいいのですが。
    熱が出てしまいそうです。
    【 2011/10/19 02:20 】

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