スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    【 --/--/-- --:-- 】

    | スポンサー広告 |
    さっちゃん詰め
    那月ルート2月あたりの
    四ノ宮砂月くん妄想。
    ついったで盛り上がって、
    そのテンションのまま書いてしまいましたw

     ***

    「那月! ほらなーつーき! 起きろ!」
    朝からチビの騒がしい声がする。
    那月の意識はまだ眠ったままだ。昨日の疲れがまだ完全に取れていないのだろう。
    「うるせぇ。」
    ウサギのぬいぐるみ、全長50cmを布団から引きずり出して
    声の主めがけて思い切り投げつけた。
    中身は綿で、ふわふわしているそれは殺傷力こそないが
    「痛え!!」
    リアクションもアイドルの命! と言わんばかりの反応が返ってきた。
    「なんだ、今日は朝からお前かよ。」
    俺の顔を見るなり、那月の同室の男はゲンナリと呟く。
    「それは俺の台詞だ。朝から騒々しいお前の声で起きる、那月の身にもなれ。」
    「なんだよ、起こしてやってんのに。」
    チビは口を尖らせて、それから真面目なトーンで
    「那月は大丈夫か?」
    と、聞く。
    俺が頻繁に表に現れるようになって、初めのうちは
    那月はどこだ。だの、那月を返せ。だの
    キャンキャン吠えて、煩わしかったのだが、
    俺が出ている間、那月は休んでいる。と教えてやったら
    文句を言う量は減り、かわりに心配をするようになった。
    「さあ、どうだろうな。」
    那月の起きるタイミングは、俺にもわからない。
    「とりあえず、飯は机の上。」
    ベッドから起きあがり、食卓へと移動すると
    食パンと目玉焼き、まだ暖かい紅茶が置いてある。
    「なんだこの貧相な朝飯は。これじゃあ足りねえ。
     那月の心配するなら、もっと体力が回復する位の量を作れよ。」
    「文句があんなら、お前が早起きして作ればいいだろ?」
    「馬鹿かお前は。那月の身体を眠らせてやることが最優先だろうが。」
    「あー!!」
    言い返せないのか、チビは癇癪の声を挙げて
    「じゃあ喰うな。」
    「空腹で学校に行けるか。」
    「じゃあ喰え。」
    「喰わないとは言ってない。」
    「じゃあ文句を言わずに喰え。」
    「うるせえ。」
    今度は机の上に置かれたひよこのマスコットを掴んで投げつけた。
    「あー!!! むかつく!!!」
    怒っても、奴は俺には手を出してこない。
    傷つくのが那月の身体だということを理解しているんだろう。
    すでに制服に着替えているチビはカバンを取って、
    「俺はもう学校行くけど、遅刻すんなよ!」
    「お前の声は頭に響く。ちょっと黙れ。」
    俺の言葉にイーっと舌を出して、部屋を出て行った。
    「そんな行動するから、ガキ扱いされんだ、バーカ。」
    口に含んだ紅茶は、那月が好きな味と香りがした。



    「おはようございます。」
    控えめでも、しっかりと俺の耳に届く、朝の挨拶。
    俺は振り返ることなく、学校へと歩を進める。
    七海春歌はてててっと走って、俺の隣に並んだ。
    「今日は朝から、砂月くんなんですね。」
    視線を落とすが、俺の歩くペースに置いていかれないよう
    一生懸命、小走りに近い状態で続く。
    「なんだ、那月が心配か?」
    「はい。」
    春歌は正直に頷く。
    「でも、砂月くんがいるので安心です。
     那月くんは、他の人に置いていかれるのを怖がっていましたから。」
    そうして、俺を見上げて、少しだけ笑う。
    「那月くんが起きるまで、今日もよろしくお願いします。」
    「足、引っ張るなよ。」
    俺は、見ていられなくて目を逸らす。
    「はいっ!」
    こいつも、俺から逃げなくなった。
    会話を交わすことはなくても、ただ隣を歩く。
    そうして、寮から学校、教室まで、ずっとついてくる。
    翔といい、こいつといい、
    お人よしばかりが集まるな、那月のまわりには。
    どうも落ち着かない。胸中でため息をついた。




    2月の冬空は青く、白みがかっている。
    七海春歌や、一十木音也、聖川真斗、渋谷友千香。
    那月は、いつもだったらこのメンバーと一緒に昼食を取る。
    だが、俺は那月じゃあないからな、あの輪の中に入る必要はない。
    足早に屋上へ登って、鍵をかけてやった。

    俺は、那月の影だ。
    変に情を持たれても困る。
    翔も、春歌も、もう少し突き放すつもりでいたのだが。
    「どうしようもない奴等だ。」
    那月を心配しながらも、俺を認め、自然体で振舞う。
    「はぁ。」
    ため息が口をつく。
    「早く戻ってこいよ、那月。」
    普段なら絶対に言わないようなことを口にして
    何をやっているんだ、俺は。と胸中で毒づいた。

    「那月? 砂月? まあ、どっちでもいいや!
     これ、翔からの差し入れ。」
    教室に戻ったその瞬間、両手いっぱいのパンと
    満面の笑みを浮かべた一十木音也に出迎えられて
    俺は露骨に怪訝な顔をした。
    「何だ、これは。」
    「だから、翔からの差し入れだって。
     『俺の朝飯じゃあ不服だったみたいだからな。
      倒れても困るし、有難く受け取れよ!』ってさ。」
    ご丁寧に、チビの声真似までして、何がおかしいのか、
    彼はにぱっと笑った。
    那月に対してそのような表情を見せることはあっても、
    俺の前でそのような顔をするのは、初めてのことだ。
    「何だ、お前は。」
    「え、名前覚えてないの?
     一十木音也だよ。」
    「そうじゃない。」
    「あ、そう? ちゃんと覚えててくれたんだ!」
    にこっ。またも満面の笑み。
    くそっ、調子が狂う。
    「そうじゃない。どういう心境の変化だ? と聞いてる。」
    「あ。このパンうまそう!」
    「話を聞け。」
    「ごめんごめん、はい、砂月のパン。」
    どさどさどさ。
    那月も相当だが、こいつもマイペースな奴だな。
    つい、パンを両手に受け取ってしまった。
    大袈裟にため息をついて、もう一度問う。
    「那月でも砂月でも、どっちでもいいだと?
     以前のお前なら、そんなこと言わなかったはずだ。」
    「へぇ。」
    すると、彼は目を丸くして、俺をまじまじと見る。
    「なんだ?」
    「いや、他の奴なんてどうでもいいーってフリして、
     実は結構よく見てんじゃん。」
    そう言って、また笑う。
    こうも敵意なく、純粋な笑顔を向けられるとどう対応すればいいかわからない。
    こいつ、苦手だ。
    俺が顔を逸らしても、何も気にしていない様子で隣に並び
    「砂月とは、どう付き合えばいいのかわからなくってさ。
     ほら、前に那月の眼鏡を取りに、翔と部屋に行ったとき、俺襲われたし。」
    何故そこでアハハと笑えるのだろう。こいつ、阿呆か?
    「でも、最近の砂月って、前より優しい顔してるなって思って。」
    「は?」
    腕を組みたいのに、パンが邪魔でそれが出来ない。
    苛々する。
    「あ、気づいてなかった?
     翔の前でもそうだけど、でも一番は七海かな。
     七海を見る目がすっごく優しいって話を今日の昼に皆でしてさ。
     七海もさ、砂月くんは本当はとても優しい人ですよって言うし。」
    えいと手で寄りかかっていた壁を押して、前に飛ぶ。
    そして俺の正面に立って、にっと笑った。
    「そんなこと言われたら、話してみたくなるじゃん?」
    どうしてそんな簡単に、俺を認める。
    お前は、那月の友人だろ?
    那月のことだけ考えていればいい。
    そう、言おうとした。
    それなのに、言葉が出ない。
    驚いた表情で、その笑顔から目を離せずにいた。
    「一十木。ああ、それに四ノ宮も。」
    「マサ!」
    そこに、もう一人の那月の友人、聖川真斗がやってくる。
    「次の授業は、ラジオ番組のトーク実習になるそうだ。」
    「へー。最近授業の入れ替わり多いね。」
    「しかも、Sクラスと合同らしい。」
    「おおお! ワクワクする!」
    那月だったらここで、
    翔ちゃんと一緒なんですね! と言っていたはずだろう。
    聖川はチラと俺を見て、
    「そうか、今日はまだ砂月の方だったのか。」
    と言う。
    「トークは三人一組のチームで行なう。丁度良いな。」
    「うんうん。」
    「ちょっと待て。」
    「どうした? 俺と、一十木、四ノ宮で、三人。」
    「だよね。」
    俺の問いに、なんでそんなことを聞くのかとばかりに
    返事する二人に苛立ちを覚える。
    「だから、お前がさっき、自分で言っただろ。
     俺は今、那月じゃない、砂月だ。」
    苛立ちで声が低くなる俺に、
    御曹司サマは、更に首を傾げた。
    「お前も、四ノ宮だろう?」
    はっ?!
    言い返せずに固まる俺を見て、赤髪はまた笑った。
    「へー。砂月って、そんな顔も出来るんだ。」
    「うるさい!」
    思わず、手の中にあったパンを一つ投げつけるが
    へらへら笑う男はそれをキャッチして、
    「やりぃ! いただき!」
    と、嬉しそうにする。
    「ほら、急ぐぞ。四ノ宮、そのパンは置いていけ。
     授業に持っていっても邪魔なだけだぞ?」
    「そんなの、お前に言われなくてもわかる!」
    どうしてこいつ等は、俺を苛々させるのが得意なんだ!

    那月の中から見てる時から、そうだったんだ。
    とってもぬるくて、
    那月のことを笑顔で受けとめる、友人。
    同じ夢を目指す、ライバルであり、仲間。
    どうして同じように、俺とも接する。
    俺は、那月じゃない。那月じゃないんだ。



    那月のフリをして、なんとなく話を合わせるだけでいい。
    そう、思っていたのに。
    「お前等……ボケしかいねえのかこのメンバーは!!!」
    そう、那月は言わずとも知れた天然。
    赤髪はつっこもうとするが、天然ボケ。
    御曹司サマはつっこみに見えて、天然ボケ。
    ぐだぐだとボケ倒し続けるトークに、ついにそう叫んでしまった。
    教室内が静まり返り、
    ドっと笑いが起こる。
    「砂月……お前、キャラ忘れすぎ!」
    チビがブースの向こうで手を叩いて笑っている。
    「さっちゃん、ナイス! ナイスよ!」
    いつの間にさっちゃん呼びになってんだこのオカマ!!!
    「なるほど。一番の天然ボケキャラと見せかけて実はつっこみだとは……。
     四ノ宮さん、なかなかやりますね。」
    冷静に解析するSクラスの一ノ瀬と、
    「ヒュゥ、やるね、シノミー!」
    ちゃらちゃらした、Sクラスの御曹司。
    「おお、ウケてるウケてる!」
    「うむ、四ノ宮のおかげだな。」
    無邪気に赤髪が両手をあげる。
    それにつられて、御曹司サマも手をこちらに出した。
    「あああ、まだ終わってねぇのに、ハイタッチをねだるんじゃねえええ!!!」
    またもや俺の叫びが、ブース内にこだました。



    「砂月がすごかったんだよー。」
    にこにこと、トモちゃんがそう私に報告してくれる。
    アイドルコースの人達は、そんな楽しそうな実習があったんですね。
    ちょっとその場に居合わせたかったかも。と思いました。
    すっごく羨ましいです。
    「ハルちゃん。」
    「那月くん!」
    春の陽だまりのような笑顔に、私もつられて笑顔になりました。
    「おはようございます。」
    「うん、おはよう、ハルちゃん。」
    それからおもむろに、私をぎゅーっと抱きしめます。
    「那月くん?」
    「ふふっ。」
    「???」
    「いえ、今日はさっちゃんが楽しそうだったので、
     僕も甘えて、ゆっくり休んでしまいました。」
    包まれた腕の中でドキドキしながら、那月くんの表情を覗けば
    とても嬉しそうにしていました。
    「那月くんは、砂月くんにも幸せになって欲しいんですね。」
    「はい、そうですよぉ。僕はさっちゃんが大好きですから。」
    「ふふっ。」
    「ハルちゃん?」
    「私もです。那月くんも、砂月くんも。」
    大好きです。と言うのは照れてしまいましたが、
    わかってくれたみたいで、さらにぎゅーっとされました。
    「さっちゃんがくれた時間で、ばっちり回復してきました。
     さあ、二人で愛の唄を奏でましょう?」
    「はいっ。」
    【 2011/10/18 02:56 】

    | 迷子[うたプリ] | コメント(0) |
    <<ジェミニシンドローム | ホーム | 夕飯マダー(・д・)?>>
    コメント
    コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    | ホーム |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。