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    夕飯マダー(・д・)?
    ☆観察

    冷蔵庫の中身を確認して、そろそろ買い出しに行かなくちゃ、と思いながら
    卵と、冷凍していたご飯を取り出します。
    オムライスを作りましょう。
    時間も時間ですし、あんまり作りすぎない方がいいですね、
    付け合わせは野菜のスープにしようかな。
    エプロンをつけて、腕をまくって、手も洗って、
    ダイニングキッチンから、ちらり
    リビングのソファに座る、那月くんを見ました。
    今日は一緒に料理をしないのでしょうか?
    味覚は少し……いや、かなり人とずれていますけれど、
    彼自身は、趣味に挙げる程の料理好きです。
    いつもなら私と並んでご飯を作りたがるので
    少し心配になったんです。
    那月くんは、床に散らかしていた五線譜を拾って
    それを楽しそうに眺めていました。
    ほっとして、お米は解凍するために電子レンジに。
    スープのために、鍋に水を入れて、火をつける。
    また、リビングに目線を戻して、
    那月くんは、私の視線に気づきません。
    ふふ、なんだか楽しくなってきました。
    いつものお返しとばかりに
    じーっと見ます。見つめます。
    気づいて欲しくて、でも、気づかれないこのドキドキに、心が踊る。
    ふわふわの髪の毛。触れたらとっても柔らかい。
    楽しそうな瞳。私がそばにいると、和らぐんです。
    唇が動いてます。小さく口ずさんでるんでしょうか?
    楽譜を持つ指。ついさっきまで私を撫でていて……、
    はうう、思い出してしまいました。火照ってしまいます。

    ピーーーッ。

    ひゃあっ?!

    電子レンジの音に飛び上がって、
    私は現実に戻ってきたのでした。

    ☆オムライス

    それから程無くして、私は夕食を完成させました。
    オムライスに関しては
    我ながら上出来のふわふわとろとろ具合です。
    冷蔵庫からケチャップを取り出して、
    オムライスを前に、固まります。
    これは、何を描けばいいんでしょう?
    自分の分だけでしたら、深く考えずに掛けますが。


    以前、トモちゃんに作ってあげた時のことを思い返します。
    彼女は私を後ろから抱きしめ、肩のところから顔を出して
    私のにはハートマークを描いてよー。と言っていました。
    ケチャップでお絵描きをするというのは初めての経験で、
    歪んだハートになってしまったけど、トモちゃんは満足げに笑って
    私の頭を撫でてくれたんです。

    待たせてしまったこともありますし
    那月くんにも、喜んでもらいたい!
    オーソドックスに、ハートマーク?
    那月くんの大好きなぴよちゃん?
    可愛らしいクマさんやウサギさんも……。
    卵と私とケチャップと。
    真剣勝負です。
    うんうん唸っていたら、
    「いい匂いがしたので、待てなくて来てしまいました。」
    那月くんがキッチンに顔を出して、
    「オムライスですかぁ。大好きです。
     もちろん、春歌の作るものはすべて美味しくて
     大好きが溢れて止まらないけれど、
     でも、嬉しいなぁ。食べたいなって話を、
     ついこの間、音也くんとしたんですよ。」
    目をキラキラと輝かせます。
    「まるで、心が通い合っている、そんな気がしませんか?」
    こんなにも嬉しそうにしてもらえると、
    作ってよかったと、心からそう思います。
    ぎゅっと私を後ろから抱きしめて、頭の上から顔を覗かせて
    そっか、トモちゃんとこんなに、身長が違うんですね。
    体温も、腕の力強さも、
    男の人。
    心臓の音が駆ける。
    「那月くんのオムライスに、何を描くかで悩んでいました。」
    後ろからだったら、真っ赤になっているのは見えませんよね?
    「そうですねぇ。」
    声が、近くから降ってくる、この感覚に、心を掴まれてしまう。
    とくん。とくん。心が鳴る。恋してるリズム。
    この早さで曲を書いたなら、表現できるでしょうか。
    「ふふ、春歌、耳まで真っ赤ですね。」
    「ふわっ、ぁ。」
    ちゅっと、赤くなったそこに口付けられて
    ケチャップを握る手の力が抜けてしまいました。
    ぼとり、机の上に落ちます。
    私ごしに手を伸ばして拾った那月くんは、
    林檎みたいに赤い顔を覗き込んで、可愛い、と笑いました。
    「じゃあ、春歌のオムライスには僕が描いてあげましょう。」
    頬に軽いキスをして、何がいいですか? と耳元で囁く。
    もう何も考えられません!

    いつか、
    まだ砂月くんがいた頃、
    こう、聞かれたことがあります。
    「那月がキスしたり、抱きしめたりすることに
     お前はいつになっても慣れないな。」
    今の私の姿を見たらまた、彼は呆れてそう言うでしょうか?
    でも、那月くんからの愛情表現が積み重なる内に、
    私の動悸は激しくなっているような気がします。
    那月くんへの気持ちが大きくなるごとに
    嬉しくて仕方なくて、
    愛してるって心が叫んでいるのかも。
    それならば、
    慣れる日なんて、永遠に来なくていいのに。なんて
    そんな風に思ってしまいます。
    この、恋する音をずっと、あなたのために紡いでいたい。
    そう、思うから。

    「那月くんが好きなものを描いてください。」
    そう言って、
    自由になった両手で顔を覆って、照れ隠しをしたのでした。
    【 2011/10/17 04:35 】

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