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    りぴーとねたばれあるよ!
    設定はAAディスク那月ルート友情ED

    ★真斗+春歌

    寮が同じだと、仕事前に友人と会うことがある。
    「真斗くん。」
    声に振り返ると、七海がてててと走り寄ってくるのが見えた。
    歩みを止め、追い付くのを待つ。すると、
    「あっ。」
    あと数歩の距離で、何もない道路で彼女はつまずいた。
    咄嗟に腕を伸ばし、抱き止める。
    「あああああ、あの、あのあの、」
    華奢な体だ。かかる体重も軽く、髪からシャンプーの優しい香りがする。
    「ごごご、ご迷惑をおかけしてしまって……!」
    真っ赤な顔で、もごもごと謝辞を並べ立てる彼女に
    「いい。あまり気に病むな。」
    と伸べ、そっと体を離す。
    「しかし、七海のドジは入学当初からなかなか改善されないものだな。」
    「そうでした、真斗くんには入学式の日から……その……ご迷惑を……」
    言いながら、少女の顔がますます赤に染まる。
    「いや……あれは……」
    俺も口ごもり、彼女の顔、正確に言えばその唇を見ていられず
    視線をあさっての方向へと外した。



    1年前、早乙女学園の入学式、
    つまずいた彼女と唇同士がぶつかった。
    あれは事故だ。と何度も何度も、自分に言い聞かせたがしかし、
    初めて触れた感触と、女性の香りは脳裏から離れてはくれず
    彼女が四ノ宮のパートナーとなり、自分達と行動を共にするようになって
    はじめの1か月程は、まともに顔を見れなかった。

    「と、とにかく、ここで立ち止まっていては、仕事に遅刻をしてしまう。」
    「ハッ! そ、そうですね、行きましょう。」
    ぎくしゃく。
    俺のななめ後ろを、七海がついて来る。
    それから、おずおずとこう切り出した。
    「その……入学式の日のことは……那月くんに言うべきでしょうか……?」
    それは、難題だ。
    少し前の四ノ宮を思い浮かべる。
    自分を、そして七海を信じることが出来なかった彼は
    嫉妬のあまり、感情のコントロールが出来なかった。
    今ではそれを乗り越え、
    「那月くんは、もう大丈夫ですよ。」
    と、七海が穏やかな表情を浮かべてはいたが
    さて。身近な人物との接吻を彼は許すことができるだろうか。
    ちらと七海を見る。
    彼女は恋人に、隠し事をしたくないようだ。
    四ノ宮にまっすぐ、誠実に向かい合う七海を
    四ノ宮の友として、とても好ましく思った。
    だからこそ、二人の間にはまわりすら癒す、穏やかな空気が流れるのだろう。
    基本的に笑顔を絶やさない四ノ宮だが
    七海に向ける笑顔は、また違う。優しさに満ち溢れている。
    その表情が、壊れないために。
    「今しばらく、様子を見た方がいいかもしれんな。」
    俺はそう進言した。
    「やっぱり、そう、ですよね。」
    七海もそれが一番だと思ったらしいが、表情は浮かない。
    「隠し事をするのが心苦しいのはわかる。」
    「はい。」
    「だが、いつか、ちゃんと、お前の口で伝えてやってくれ。
     その時まで、俺はこのことを、決して誰にも告げないと約束しよう。」
    こくん、と彼女は頷いて、顔をあげた。
    目が合う。
    「頑張ります。」
    そして七海は、控え目ながらも満面の、優しい笑みを俺に向けた。
    「真斗くん、約束です。
     二人だけの秘密ですよ?」
    「あ、ああ。」
    圧倒された。
    見惚れた。
    可愛くもあり、美しくもある少女の笑顔。
    「だが、そんな表情を易々と四ノ宮以外に見せてはいけない。」
    「えっ。」
    何を言われたのかわからない。という表情。
    無意識だからこそ、危うい。
    こんなに無防備では、四ノ宮が心配するのも無理はないな。
    友の想いが理解できて、俺は少々複雑な気持ちで
    首をかしげる彼女に背を向け、また歩を進めるのだった。
    【 2011/10/13 14:55 】

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