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    えいえい。えいえい。
    詰めても詰めても、まだ続く。

    ☆新しいお仕事

    「YOU達にベリベリグーッドなハナシー。
    ドラマの主題歌タイアップを歌いませんカー?」
    ガラスを破って日向さんに小言を言われながらも
    けろっとして社長さんは私たちに向かってこう言いました。
    「ドラマの主題歌、ですか?」
    高鳴る胸に両手を当て、私は言葉を反芻します。
    それは、新人歌手が知名度をあげるのに抜群の仕事です。
    「ああ。どうもスポンサーが四ノ宮の歌唱力に惚れ込んだらしくってな。
    最高の楽曲と詩を提供しますという話だったんだが……。」
    日向さんの説明に、胸がズキリと痛みましたが
    「僕は、彼女の作る音楽でないと期待に沿えないと思います。
    僕の唄を輝かせるのは、彼女の紡ぐ思い。
    星よりも眩い、輝きの調べがあって初めて、僕の唄は夜空に届きます。」
    那月くんがこちらを向いて、優しい微笑みをくれました。
    痛みが、嘘みたいに溶けていく。
    「そう言うと思って、
    楽曲はこちらにとっておきの新人が居るって伝えておいた。」
    「ミーの目に狂いはナイナイナッシーング。
    2週間あげマース。仮歌まで入れた状態で提出してくだサーイ。」
    「2週間……!」
    日向さんが頷く。
    「先方も楽曲を別途用意して、聴き比べるらしいから、
    まあ、急な話だが。
    ……七海、これはチャンスだ。
    だが、出来ることと出来ないことを見極めるのも、
    プロとしてやっていくには大切なことだ。」
    情報が溢れて、頭がクラクラしてきました。
    私の、作曲家としての大きな一歩。
    そして、那月くんのための、とてもとても大きな一歩。
    2週間で仮歌を入れる。歌詞もこちらで用意するということです。
    大変な、大変な仕事。
    ちらりと那月くんを盗み見ました。
    春歌が決めていいよ。と、瞳がそう言っています。
    「もし私が、提出できなかったり、
    期待に沿えなかった場合は……?」
    「そんときは、四ノ宮は向こうさんの提供する楽曲を歌う。」
    私の結果で那月くんの仕事が減らないことに安堵して、
    私以外の人が作った曲を歌う彼を想像する。
    それだけで少しの楽しみと、いっぱいの寂しさが胸に沸き上がって
    苦しくなって、俯いてしまいます。
    「……やります。」
    那月くんの唄は、私が紡ぎたい。
    この溢れる想いをすべて、捧げて、
    一緒に夢を追うと決めたから、
    「やらせてください。」
    顔をあげて、二人の上司を見据えて、想いを伝えれば
    隣で那月くんが微笑んだ気配がしました。そして、
    「やらせてください。」
    「七海以外の楽曲で、歌う覚悟があるってことだな?」
    「違いますよぉ。」
    あくまでいつもの調子で、穏やかに恋人は言います。
    「彼女は僕のミューズ。最高のパートナーです。
    信じていますから。」
    顔を見合わせなくても、
    手を繋がなくとも、
    絆がこんなにも、あったかい。
    「やらせてください、お願いします。」
    私が深く頭を下げると、
    社長さんがハッハッハーと笑いました。
    【 2011/09/22 03:43 】

    | 迷子[那春さん] | コメント(0) |
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