スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    【 --/--/-- --:-- 】

    | スポンサー広告 |
    捕まったら、おしまいだと思う。
    幼い頃の記憶。
    ああ、私は今、夢の中にいる。
    母親がいる。
    私は彼女の笑顔が見たかった。
    望むまま、淑女を目指した。
    器量は特別素晴らしいとは言えなかったけれど
    動作で、表情で、可愛らしく美しくあり続けた。
    愛敬と教養を持って、従順な子供でいた。

    育ての親が変わって
    自由に生きていいんだよ。と言われた。
    言葉の意味がわからなかった私は、
    彼女をコピーすることにした。
    そうしたら皆笑ってくれて、
    きっと正しいことをしているんだって思った。

    目を覚ます。
    視界に広がるのは、木造の面白味のない天井。
    また爆薬投げつけて穴を開けようかしら。
    移り変わる空を見るのは、まあ、嫌いじゃない。
    絨毯の上、私は床に仰向けになったまま
    ぼんやり、そんなことを考える。
    気分は憂鬱。
    体が痛い。床を柔らかくするにはどうしたらいいだろう。
    でこぼこを作って、ツボ圧し等も面白いかもしれない。
    そんなとりとめのない思考に、身を委ねていたところで
    「あーっ、ご主人、やっと起きたー!」
    幼い声が、そう言った。
    手の平に乗せられるサイズの可愛い可愛いハニワが
    視界にひょっこり顔を出す。
    「寝るときはベッドで寝てよねっ!」
    私は眠たいと思ったらすぐ寝たいのだ。
    「ベッドがここになかったからいけないのよ。」
    「ひゃーあ!」
    ハニワは悲鳴をあげた。
    今の声はなかなか良かった。録音したかったわ。
    ふうとため息をつく。
    「ベッドが生きてればいいのね。」
    「その結論はなんなんですか。」
    「ゴゴゴゴゴ。ううん、カサカサカサ、かしら。」
    「何の話?!」
    「効果音。」
    とりあえずカサカサは嫌だからねと呟いてハニワは
    「そんな、部屋が百個位ある広い豪邸屋敷じゃないんだから、
    じぶ、んで、歩、きな、YO!」
    と言う。
    私は上半身を起こして、束ねた髪をほどいた。
    乱れていることはそこまで気にならない。気にしなくていい環境の元にいる。
    この後天的自分勝手を、たまに否定する私がいて。
    夢のせいだ。気分は最悪。
    「そんなに新薬の的になりたいの?」
    にっこり、笑顔で相手に問うた。
    「えええ?!」
    つまり、やつあたり決定! ということ。
    「ボ、ボク何か間違ったこと言った? 言ってないよ?!」
    「私の前では、私が全面的に正しいの。」
    脆い陶器の体を捕まえて、にんまり笑った。
    「ぎゃああああああああああああ!!」
    【 2011/08/09 18:42 】

    | 迷子 | コメント(0) |
    <<スイッチの切れた米 | ホーム | 交差する点。>>
    コメント
    コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    | ホーム |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。