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    続きさくさく
    あともう少し!
    2次創作でする。

    *****

    境界線は今夜も在る。
    越えない場所で、少女は考え、行動する。
    「ポコさんから聞いたんですけど、」
    「ん?」
    「今日、誕生日なんですね。」
    リーザがそう切り出すと、彼は苦笑して、
    「ポコもよく覚えてるよな……。」
    と呟いた。
    ポコがいたら
    『親友の誕生日だもんね!当たり前だよ!』
    と言うことが容易に想像できた。リーザも小さく笑い、
    手に隠し持っていた袋から、二切れのパウンドケーキを取り出す。
    「皆さんには内緒ですよ?」
    料理は好きな方だ。
    自分に何ができるかを考えたら、それしかなかった。
    夕食の準備に紛れて下準備をし
    ついさっき焼き上げたばかりのそれを、アークはぼんやりと見つめた。
    「迷惑……でしたか?」
    不安げな表情を少女が浮かべるので、首を横に振る。
    「いや、驚いて。」
    誕生日にお祝いされる。
    今のこの生活の中で起こり得るとは思っていなかった。
    「ありがとう。」
    受け取って笑うと、少女はぱあと顔を輝かせて、
    食べるよう、控えめにではあるが促した。
    随分打ち解けたものだと思う。素直に慕ってくれることは嬉しかった。
    彼は床に腰をおろし、壁によりかかった。
    少しためらって、リーザもそっと隣に座る。

    「リーザは料理上手だな。」
    ケーキを一口食べての感想に、リーザは笑顔で応える。
    裏に隠れている意味も理解した上で。
    「ククルさんの料理ってそんなに……?」
    「食べれないわけじゃないけど……。」
    そう言って、ケーキをまた一口。
    不味くてもククルさんの作ったものなら全部食べてあげるんだろう。
    リーザはこっそり笑った。
    あこがれの恋人像。
    「……誕生日くらい、スメリアに帰ってもいいと思います。」
    だから二人がはなればなれでいることがどうしても納得できない。
    ククルは精霊の巫女という役目のため、スメリアから動けないでいる。
    せめて誕生日くらい二人で過ごさせてあげたい。
    わがままなんだろうか?
    「この船の人はみんな……許してくれると思います。」
    「ありがとう。」

    彼はそれだけ言った。

    いつだって、内側には入れない。
    その孤独には、触れさせてくれない。
    「会いたくないんですか…?」
    答えは分かっているのに、少女は聞かずにはいられなかった。
    「会いたいよ。とても」
    彼はそう言って、ケーキを口に運ぶ。
    それから、納得のいかない表情の少女に苦笑して、
    その頭をなでた。
    「ククルは、怒ると怖いんだ。」
    遠い地で自分を待つ、愛しい彼女に想いをはせる。
    『そんなことしてる暇があるなら、早く旅を終わらせてきなさい!』
    彼女は嘘つきで、
    「今度会う時は……全部終わった時かな。」
    自分は少し、かっこつけたいらしい。
    【 2011/08/03 21:03 】

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