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    ついったーで、そういう話をみたので。
    「席、変わります。」
    と言ったのは、隣に座っていた男子校生だった。
    その男子は私の苦手なタイプの、
    なんというか、首にネックレスかけてるような…、
    いや、比喩であって実際にはつけていないのだが。
    着崩した制服。学ランはボタンをとめていてこそ可愛いのだと
    着崩すなんてとんでもない!スカートも膝丈です、な私は思う。
    つまり、真面目代表の私が怖くて付き合えない男子の筆頭のような
    そんな外見の人が、目の前の若い女性に席を譲っているので、
    呆気にとられた。

    「俺、次の駅で降りるんで。」
    笑顔とともに、彼は席を立った。
    女性はぺこぺこと、何度も頭を下げる。
    新手のナンパだろうかと思っていると、
    女性が腰かけて、膝の上に乗せた鞄には、

    「赤ちゃんがいます。」

    というキーホルダーがついていた。
    あっ、なるほど。
    細身で小さな方だったので、妊婦さんとは思わなかった。
    私だって気づいていたら、と内心で呟いて、
    持っていた教科書で顔を隠し、男子生徒を盗み見る。
    へらへらと、しまりのない顔で彼は笑っていて、
    言った通り、次の駅で電車を降りた。



    それから5つほど先の駅で、
    私は電車を降りた。
    そして、
    改札へ向かう人並みの中で、
    前の駅で降りたはずの彼を見つけてしまったのである。
    眼鏡のズレを直して、
    何度見ても、先ほどの彼だ。
    あまりに一生懸命見たものだから、
    彼も視線に気づいたのだろう。
    目が合う。
    見ていた私も気まずいし、
    向こうも、気まずい顔をする。

    おそらく、
    彼の言った「次の駅で降ります」は嘘で
    別の車両に乗り直したのか。

    そんな優しいことをできるのであれば、
    外見もそれ相応にすればいいのに、とか
    せめて次発に乗ればいいのに、とか
    なんとなく、面白くなくて
    素直に彼を褒められない私の気持ちを
    知ってか、知らずか、
    その男子生徒は笑った。
    笑って、

    「まあまあ、内密に。」

    とでも言うように、
    片手でごめんねのジェスチャーを、
    私に向けて、やった。

    目を、逸らす。
    笑顔は胸に焼き付いて。
    それはそれは、面白くない出来事として
    それからしばらく、私の悩みの種となる。
    【 2011/01/19 17:26 】

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