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    長いよ!
    センララ書きたいー
    センララ書かせろー
    という怨念(←)が形になりました。
    これは本編で使うかもしれません。
    ひとまず、校正なし。
    表記やらそろえてないのですが、
    まあ、うp。

    長いです。
    携帯メールの字数制限に引っかかりました。
    減らしました。
    でも長い(^0^)

    キャラクターが増えてるよ!
    お前本当、本編書けよ!
    わぁいわぁい。




    ひどく、違和感を覚えた。
    目の前の少女に淡々と、問いかける。
    「封印を解こうと、思ったことはないのか?」
    異端扱いをされて、人の輪から外れたらしい彼女は、
    しかしまだ、人を信じることはやめないらしい。

    赤い瞳が揺れる。
    少女――ララは、言葉を探した。
    封印を完全なものにする。
    そうすれば、自分は人として暮らして行けるからと、
    がむしゃらに、
    それだけが、生きる意味だと思っていた。
    あの悲劇を繰り返さないために。
    生きていることは、こんなにもつらい。
    でも、諦めないでいたいと思うのだ。
    生きていたいと、思うのだ。
    人として。
    人でありたい。

    動悸が、自分と現実とを切り離す感覚。
    握りしめた手には汗がにじむ。
    ――それは、災厄からのがれるための封印。
    大きい魔法であるが故に、完全な形で発動しなかった。
    綻びた部分を修復することにばかり気がいって、
    「封印を解いても、同じだろう?」
    すべて壊すことなんて、考えてもいなかった。
    「皆が力を持てば、お前が弾かれることもなくなる。」
    男は表情を変えることなく、
    「利害は一致している。
     たった一人で封印をかけなおすか。
     俺達と共に、封印を解くか。」
    対照的に、自分の瞳には涙が浮かび、息が、震える。

    一人じゃない。

    目の前の黒く深い、冷たい印象を与える瞳でも、
    自分が誰かに受け入れられるということ。
    どれだけ、望んだだろう。
    脳裏にちらつく、欠片の、
    女の泣き顔に、背を向けてしまえたら。
    そもそも、あの人が失敗したから。
    私が負った傷痕は、
    あの人の悲しみに劣らない気がした。

    男は、視点の定まらない少女を観、
    あと一押しだと悟った。
    ふむ、と思案する。
    一族で渇望するその力を持ってして、
    なにゆえ彼女は、歪んでしまったのか。
    力で屈服させればいいのに、
    まだ何かを期待している。
    ちっぽけな、人に。
    そうか、とため息が口をついた。
    「お前は、人になりたいのか。」

    びくんっ。

    溢れ落ちんばかりの滴をいっぱいに溜めて、
    彼女は、唇を噛み締め、うつむいた。
    小さな体に、どれほどの屈折を閉じ込めているのだろう。
    この娘の存在ひとつで、世界は変わる。
    遥かな昔、伝説のあの時に戻れる。

    男は、左口の端を持ち上げた。
    最高の口説き文句に出会えた喜びに、胸がうち震える。
    「私が魔法を使えたら、
     君が持つ魔法を封印してあげられるのに、難しいものだな。」
    少女が、ゆっくりと顔をあげた。
    虚ろな瞳に、男の姿がうつる。
    床に座る彼女へと体をかがめて、囁いた。
    「封印がなくなれば、私は君を人に戻せる。」
    そして、返事を待った。
    瞳に光が宿るのには、そう時間はかからず、
    掠れた力ない声が、紡がれる。
    「戻してくれるの――?」
    男は歓喜に酔いしれながらも、あくまで表情は変えずに、淡々と語る。
    「私は、約束は必ず守る。」
    ララには、それが事実だと思えた。
    彼の記憶の中に垣間見た姿は、あまりに誠実で、
    一途であるから、手段を選ばない。

    男に、手をとられた。

    それは、目の前の黒い男ではなく、
    傷だらけになり横たわっていた、少女の同胞。
    「ロム…。」
    振り返る。
    血の味がする口で彼が言う。
    「あんたなら、断ると思っていたけどな。」

    堰が、崩壊した。
    涙の粒が、落ちる。
    落ちる。

    男が、立ち上がった。
    ロムの腹部を蹴りつけられて、繋いだ手がほどかれる。
    ララは悲鳴を飲み込んで、にらみつけた。
    惑わされるところだった。
    同胞を傷つけたコイツの言葉に、どうして耳を貸したのだろう。
    歯がゆい。
    小さい両手を広げて、
    「これ以上やったら、貴方の手をとることはないと思って。」
    怖くて、声は震える。
    暴力を前にしたら、私はとても無力だ。
    「せっかく見つけた手がかりなんだから、
     もっと大事にした方がいいんじゃない?」
    しかし、彼にはララやロムを殺せないという弱味がある。
    叶えたい事柄の最短距離上に、私達がいる。
    一人で、生きてきた。
    愚かなままでは、やっていけない。
    「使える魔法は、コンディションに関係する。
    心が安定しないと、私は魔法を使えない。
    彼を、これ以上、傷つけないで。」
    魔法と呼べるほどの大層なことは、ララには使えない。
    要は、言葉の使い方だ。
    嘘は言っていない。
    この人と、私の言う魔法が食い違っているだけで、
    その誤解を、誇張してやる。
    自分の背中の後ろで、咳き込む音。
    どうして、こうやって、大事な人ばかりが傷つくのか。
    私が悪いんじゃないか。
    幾度と巡る考えに、吐き気がする。
    私がいなければ。
    本当は、生きることなんて、投げ出して。
    「しばらく、二人にして。
     …いい方向に、考えるから。」
    瞳が交錯する。
    まっすぐに射抜かれて、
    目の前の男にすべて悟られているのではないか、と思った。
    退くわけにはいかない。
    泣きたい気持ちを押さえつけて、
    今ここで私がいなくなったって、何も変わらない。

    ここにいていいから。

    頭に響いた声を、
    想うと、また、泣きそうになった。
    かき消して、
    せめて、
    この小さな体で守れる限りは、
    負けたくない。

    「では、お嬢様のご機嫌とりといこうか。」
    男が身を翻す。紺色のマントは、この暗がりの中では黒にしか見えない。
    見送る時間は、やけに長く感じられた。
    扉が閉じる音と、
    金属の鳴る音は、鍵をかけているのだろう。
    手の先に血が通って、じんと痺れた。
    背中から力が抜ける。
    床に手をついて、呼吸をした。
    バイオレットブルーの瞳。
    闇を覗き込むように。
    圧を全身に受けた精神は思っていた以上にすり減っていた。
    この赤い瞳が、少しは強く見せてくれたらいいのだけれど。

    振り返って、傷だらけの男を見れば、
    彼はいつも通り、涼しい顔で
    「お前は何をやってるんだ。」
    と、言う。
    あまりに普段通りなものだから、
    ララは笑った。
    笑いながら、涙が滲んだ。
    「止めてくれて、ありがとう。」
    「まったくだ。」

    人になれたら。
    脳裏に浮かんで、離れないのは、
    何度も言った、
    「ごめんね」の数。
    その度に、
    愛しいあの人は、困った顔をする。
    魔法なんてもっていなかったら、
    「ごめんね。」と、言わなくていいの。
    まっすぐ、

    「ごめんね…。」
    ああ、また、口癖になってる。
    ロムが、呆れた顔をした。

    まっすぐ、
    センに、向かい合えたのかな。
    好きって言えたのかな。
    手を繋げたのに。
    優しいあの人に、笑ってもらいたくて。
    ここにいていいよって、言ってくれたの。
    だから、ここにいたい。
    愛していたいの。
    繰り返す、
    体中に充満する自意識過剰被害妄想で、
    後ろめたさが、止まらない。
    好きだなんて、言えない。
    言えないよ。

    いつの間にか、言葉も笑顔も消え去った。
    ただただ泣きじゃくる私の頭を、ロムは無言で撫で続ける。
    触れても、大丈夫。
    彼は同じだから。
    その安心感に、涙が止まらなかった。
    こういうことを、
    あの人とも普通に出来たらいいなって、
    思うことは、いけないことですか?

    好き。
    好きなの。
    大好きで、
    私は貴方に触れたい。
    貴方のあたたかさを、もう知ってしまった。
    触れたい。
    まっすぐ、
    好きだと言いたいの。

    セン、あのね、
    私ね――。

    頑丈な石壁のどこからか、風が吹き込んだ。
    教えてくれる。
    はじかれたように、その室内の唯一の窓へ駆け寄る。
    錆びた格子は、ララの力では動かなかったが、
    ロムが手を添えて、どうにか動いた。
    樹の影から、銀色の髪の人が出てくる。
    そして、大きく手を振った。

     *

    「うわ、また厳つい城だな…。」
    「静かにしろというのが、わからないのか?」
    「いちいち剣向けるのやめようぜ。」
    女剣士はため息の後、剣を鞘へと戻した。
    センも安堵の息を吐く。
    彼女は本気で斬りつけてくる奴である。
    真面目すぎるんだよな。と内心で呟いて、
    改めて、城に目をやった。
    石を組み上げたその建設物は、城と呼ぶにふさわしい大きさで、
    森の中に佇んでいる。
    夜の闇。
    どこかでフクロウが鳴く。
    「問題は、どこに捕まってるかなんだよな。」
    「お前はしゃべらないと呼吸できないのか?」
    睨む彼女に苦笑を返して、
    任務とはいえ、わざわざついてきてくれたことに改めて感謝をする。
    革の鎧と服の下、包帯が赤く染まっていることがぼんやりわかる。
    傷は完全には塞がってはいない。
    少女を連れていった男に斬られた。
    そいつは今、この城にいるのだろうか。

    「ついていきます。
     だから、彼に危害を加えないで。」
    ララを守れなかったのは、自分だ。
    それなのに、こうしてまた、のこのこと彼女の意に反した行動をとる。
    馬鹿だよな、と自分でも思うが、
    これはもう、意地だった。
    守りたいから。
    泣いてばかりの彼女に、今の自分が出来ること。
    背伸びして、
    捕まえていたい。

    「窓から顔出してくれたりしたら、楽なのにな。」
    呟いて、ため息をついた。

    それが、10分前のこと。
    城を見ながら、供にきた20名の兵士等と作戦をたてていた時のことだった。
    小さな3階の窓に、桜色が舞う。
    制止も聞かず、森から飛び出した。
    見張りの兵を簡単に気絶させる。
    剣で力一杯殴ったら、また傷口が開いたような気がするが、気にしない。
    見上げる。
    手を振って、
    「ララ!」
    小さく、名を呼んだ。

    十五秒のタイムラグを経て、
    彼女の口が大きく、
    ど、お、し、て、
    と動いた。
    一滴落ちてきた、それは涙だろうか。
    胸が痛む。
    また、泣いていたのか。
    本当に、泣いてばかりで、
    頼むから、
    俺のいないところでは、泣くなよ。

    両手を広げる。
    「飛び降りれるか?」
    相変わらず小声で呟く。
    それでも大丈夫だって知っていた。
    彼女には、時間差はあっても聞こえるはず。
    それなのに、三十秒待っても、ララは動かない。
    見張りがまた来るのではないかという焦りは、苛立ちに変わる。
    飛び降りるのを怖がる子だとは思えない。
    また、どうでもいいこと考えてるのか、と思った。
    彼女にとっては大事かもしれない気遣いは、
    自分には本当にどうでもよくて、
    気にしないって、何度も言ってるだろう。
    「ララ、」
    また、名を呼んだ。
    「全部、受け止めるから。」

     *

    泣けばいいのか。
    笑えばいいのか。
    飛び降りなかったのは、もう一人の人質を思ってのことだった。
    自分は手足の自由がきくが、
    ロムには足枷がつけられており、自由に身動きがとれない。
    それなのに、
    「全部、受け止めるから。」
    私の中の屈託を、たった一言で、崩してしまう。
    気にしないって何度も言う、愛しい人。
    心ごと、体を受け止めてくれるのか。
    違うのに。
    違ってない。

    「下に助けが来てるのか。」
    と、ロムが言う。
    うなずいて、でも、と言う前に、ひょいと抱えあげられた。
    「一人でも助かった方が、いいだろう。」
    彼が何をするかがわかって、青ざめる。
    「私一人が助かっても意味ない!」
    ロムが、心底呆れた顔で私を見た。
    「何を言ってる。お前は下の仲間と一緒に、俺を助けに来い。」
    さも、当たり前であるように。
    「早くしろよ。俺はまだ死ぬ気はない。」
    背中を押され、
    窓から、宙へ舞う。
    小柄な体が幸いして、小さい窓で詰まらずに済んだ。
    まっすぐ、
    センへと落ちていく。

    夜の外気が冷たい。
    色々、考えていた。
    最早、どうでもよくなってくる。

    触れた、暖かさ。

    彼は衝撃で尻餅をついたが、
    ぎゅっと私を抱きしめて、
    「あいかわらず、軽いよな。」
    と、笑った。
    胸に、顔を埋める。

    貴方が好き。
    【 2011/01/07 15:46 】

    | 迷子 | コメント(0) |
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