スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    【 --/--/-- --:-- 】

    | スポンサー広告 |
    HB1
    「はい。」
    「何、これ?」
    まばたきを二つして、手のひらに乗せられたものを
    まじまじと、見つめる。
    小さな箱。
    ふたはリボンでとじられ、そのリボンはてっぺんに可愛らしい飾りを作っている。
    これは、多分おそらく、プレゼントと呼ばれる代物だと思う。
    贈り主の彼はきょとんとして、
    「中身を先に聞いたら、楽しみ減らない?」
    と、私に言う。
    「そうじゃなくて。」
    「プレゼント?」
    語尾の「?」は何だろう。
    「それはわかる。」
    聞きたいのは、そうじゃなくて、
    「どうして私がもらってるの?」
    今日は、9月17日。
    「あげたくなって!」
    満面の笑みを浮かべる様は、
    飼い主に尻尾を振って、まっすぐに見上げる大型犬を連想させる。
    『大好き』をまっすぐぶつけられているようで、
    困ってしまうのだ。
    嫌じゃなくて。そうじゃなくて。
    …恥ずかしいんだ。いつまで経っても。
    心が先行して、言葉を失ってしまいそうになるのを、
    ぐっと、持ち直して、
    「あさのは、今日、もらう側だよね。」
    彼に向けて呟いた。
    駅前、午後3時の待ち合わせ。
    誕生日プレゼントを買いに行こう。
    と、約束していた。
    私は前々から買って用意しておくと言ったのだけど
    あさのが、一緒に出かけたいと言うから、
    だから。
    「今日の私は、お祝いする側なのに。」
    これでは、なんだか、

    駄目彼女

    じゃあないだろうか。
    「おととい、夢に、お祖母ちゃんが出てきて。」
    と、そこで彼が話し出す。
    唐突過ぎて、うつ向いていた顔を、あげた。
    「懐かしくて、思い出を色々と辿ってたんだ。」
    にっこり。
    彼のその笑顔は話の終わりを意味するもので、
    往来の中で私は唖然と、立ち尽くすのだった。

    *****

    あさのの誕生日SS。
    つづきます
    【 2010/10/11 21:29 】

    | 迷子 | コメント(0) |
    <<新しいの。の。の。 | ホーム | のどは大切に>>
    コメント
    コメントの投稿














    管理者にだけ表示を許可する

    | ホーム |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。