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    妄想は心を豊かにします←
    ぱたぱた。
    駆けてくる足音。
    「あのっ、」
    シャツの背中の小さくつままれて、
    やはり自分が、追いかけられていたようだ。
    無下にするわけにも行かず、振り返る。
    背丈も体型も標準的な、してるかどうかわからない程度の化粧の女性が
    弾んだ息を落ち着けるよう、ひとつ、息を吐いた。
    「そのTシャツ、可愛いですね!」
    予想とは違った一言に、一瞬、思考が止まった。
    覚えてる。
    それは、冠番組内で自分が言った。
    「●◎●ってお店ですよ。」
    営業スマイルとまではいかない、小さな微笑みを見せる。
    「それって、何処にありますか?
    私、こっちの人間じゃなくて、」
    「へー。何処から来たの?」
    「福岡から。」
    「観光?」
    「就職活動で。」
    そこでまた彼女は、大きく息を吐いた。一生懸命走ってくれたのだろう。
    幼さが残る表情で年下だとは思ったが、
    見ると確かに、膝が隠れるスカートに白いシャツと、
    就活生らしい、そつのない格好だった。
    「ああ、お店は新宿駅のすぐ近くにあるんだけど」
    「新宿駅…」
    彼女は瞳を伏せて、思案した後、
    「あ、すいません、お時間大丈夫ですか?!」
    と、今気づいたらしく、あわあわと手を振り回す。
    感情が行動に出るのか。
    「急いではないけど、ゆっくりも出来ないです。」
    目の前の女性はうなずいて、
    「厚かましいお願いなんですが、
    乗り場まで連れて行ってはもらえないでしょうか?」
    と言う。
    驚いた。
    なるほど、自分のあの台詞は、こういった風に応用させればいいのか。
    感心させてもらったお礼ぐらい、してもいいかもしれない。
    「こっち、ついてきて。」
    「はい。」
    安堵の笑みを浮かべて、彼女はそれに従う。
    「東京はすごいですね。」
    「何が?」
    「空が、近くに思えます。」
    見上げたら、高いビルの合間から見える夏空と雲。
    『狭い』ではなく、『近い』。
    こちらを見て、微笑む彼女と目が合った。
    「ありがとうございます。」
    「駅に向かうところだったから、大丈夫ですよ。」
    「今からお仕事ですか?」
    「うん。」
    「頑張って下さい!」
    言って、それから、
    「でも、無理はしないで下さいね!」
    と、付け加えられた。
    「ありがとう。」

     ☆

    改札を通って、すぐ手前の階段を指差す。
    「この電車に乗ったら、乗り換えいらないよ。」
    「本当に、ありがとうございました。」
    深々と彼女は頭を下げて、
    まっすぐ自分を見て、笑った。
    「またお会いできるのを、TVの外から、楽しみにしてますね。」
    「うん、」
    君も就活頑張れ、と言おうとして、名前を聞いてなかったことに思い当たった。
    「貴方のファンの一人です。」
    にっこりと笑顔を作って、彼女はもう一度頭を下げた。
    振り返って階段をのぼっていく姿を、笑って見送る。
    もしもまた、
    『好みの女性に、なんて声をかける?』
    と聞かれたら、
    前回と同じように答えて、それから
    道案内してもらうって、そう付け加えようか。
    「それだと相葉君っぽい?」
    と一人呟いて、
    空が近いと気づいたことは、日記に書いてもいいだろうか。
    ホームへと続く階段ののぼって、仕事へと向かった。


    ----------

    てへ☆←
    敬語と常語(?)が混じるのって、好きだ。

    バイト行ってきます~。
    【 2010/08/20 15:40 】

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