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    微量ですが
    ※流血表現を含みます。

     隊長の剣は両手で扱うもので、形にこれといった特徴はない。しかし、柄にまで及ぶ傷跡がこれまでの戦歴を物語っていた。
     彼の太刀筋は目で追うことが出来ない。早い。力いっぱい振り回しているのではない。隊長の体の動きと同化して、剣が動き、早過ぎるのだ。息を乱すことなく、私がまだたきした次の瞬間には、また距離が開いている。
     初陣である私に出された命令は、
    「隊長から離れない」
    だった。
     お荷物扱いかとふてくされていたが、実際お荷物ですらない。離されたら最後、彼は私を捨て置くような気さえした。
     短剣を持つ手をゆるめる。彼の通った後、戦意が残っている人は一人もいない。私はひたすらついていくことに専念した。
     じっと見続けていると、目が慣れてくる。そして、早いのは羽根の力だけではないのだと分かった。体の向きを少し変えるだけで進路がずれる。まっすぐ、最短距離で飛んでいって、武器を弾き、攻撃を叩き込む。相手が崩れ落ちるのと同時に進路を次にとるその様は訓練と実践経験とを積み重ねた賜物か。
    「訓練は飽きても更にやれ。」
    と、彼は言った。意味が分かる。私はまだまだ足りない。何もかも足りない。
     羽音に、体が先に反応した。槍の先端を短剣で弾いたものの、勢いをもろに受けて、私は体制を崩した。後ろにいった重心を無理やり右にずらして、第2波を避け、短剣を持ち直す。
     一閃。狙うのは武器を持つ手首。槍はリーチが長い分だけ1打を繰り出すのに時間がかかる。くぐり抜けて懐に入り、下から腕を振り上げた。
     落ちた槍を足で蹴り飛ばしつつ、身をかがめて腹部に肘打ちをして、意識を混濁させた。のし掛かって来る重い体を横に投げる。
     そして、短剣についた黒い血を振り払った。実践練習の時に何度も吐き気に襲われた。今ここで戦意を失うわけにはいかない。それは死ぬことと同意である。繰り返す。自分と同じ、人ではない。私の血は赤い。これは、黒い。墜ちた証。倒すべき敵。同情なんて捨ててしまえ。現に、私はこれに切り付けるのには躊躇しなかったではないか。
    体が覚えている。生きるための本能。私は死にたくない。
    羽根を広げ、高度をあげた。隊長に置いて行かれてしまう。
     練習ではない戦(いくさ)に、震える体を歯を噛み締めて堪えた。

     

    戦闘シーン練習。
    あんまり戦ってないな(苦笑
    【 2010/03/01 18:05 】

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