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バトンのかわり
なんだか2か所からまわってきてるけど、
私すでに答えてるしーとか言ってみる←

てことで、罰ゲームを引き受けた☆


――――


紫の髪は色素が薄く、光に当たってきらきら輝く。
ぱちっ。
目があった。
ずーっと見つめていた自分がなんだか後ろめたくて、とりあえずイオは笑顔を浮かべてみた。
彼女――アーシェは特に何も気にしてないようなので、ほっと胸をなでおろす。

…でも、どうしよう。

イオは自分から話すのはあまり得意ではない。
目の前の少女は…失礼な話、会話というものをするのだろうか?

お互いに黙ったまま、でも視線を外すのは失礼な気がして、イオは動けずにいた。

そのうち、アーシェの視点が自分に定まっていないことに気付く。
視線の先には間違いなくイオしかいないのに。

何をみてるんだろう…。

気になって、また瞳を向かい合わせて、時間が流れてく。

流れてく。

流れて…

「…あ、」
ふいにアーシェが声を発して、まじまじと彼女を見つめ続けていたイオは
「あ、ご、ごめんなさい。」
と咄嗟に謝った。
その声でやっとイオに気付いたのか、アーシェがイオを見る。
その表情は驚いてるような、不審に思っているような、もしかしたら何も考えていないような、まったく別次元のことを考えているような、
とにかく、読めない。

「…」
「…」
「……」
「……」
「………」
「………アーシェの瞳って…」
またもや無言で見つめ合ってしまったことに気付いて、イオは苦笑しつつ口を開いた。
アーシェが首を傾げる。
「…不思議な色をしてますね。」

それはアーシェがイオに初めて会った時に口にした言葉をそのままなぞっているのだけど、そのことにイオは気付かない。

――忘れてしまっているから。

「…そう。」
アーシェの一言は、内心の驚きをまったく反映しない、そっけないものだったけれど、
「はい。」
イオは言葉を返してもらえたことが嬉しくて、笑顔でうなずいた。


―――――


アーシェとイオ、その1。
その2はあるんだろうか…?←
【2009/09/14 00:28 】
迷子[LL] | コメント(0)
約束イベント‐レオ‐
『じゃ、じゃあ…約束…な?』
『約束…』
少しばかり言葉の意味を咀嚼のに時間をかけて、彼女は笑った。なんていうか、ふわり、という形容が似合う感じで。
『はい…約束です。』
その笑顔がすごく嬉しくて、照れくさくて、妙な相槌をうった。

――笑った顔が見たい――。

そう思うようになったのはいつからだろう?

初めて会った時、表情がぎこちなくて、口数も少ない彼女のことを「人形みたいだな」なんて思った。
でも、いや、だからこそ、打ち解けていくたびに表情を「思い出していく」彼女が愛しくて。
口数は相変わらず少ない。けど、ちゃーんと話を聞いてる。それで、考えてくれる。隣で。一緒に。

――抱えてるものはまだ見えないけれど――。

約束をした。
ホントにくだらなくて、どーでもいいこと。
けど、あの笑顔を見れたから、それでいいや。なんて思ってたんだ、俺は。

 
「忘れてしまいました…」
申し訳なさそうに瞳を伏せる彼女。もう何度目だろうか。忘れられることより、その顔を見る方がつらい。
だって俺は覚えてるから、だから、寂しいとは思っても、責めるつもりはないわけで。
「約束…してたのに…」
なおも言葉を紡ぐ彼女に、ふと違和感を覚え、
「約束?」
と聞き返す。
すると、彼女は驚いた顔(だと思う…表情の動きはやっぱり少ない…)で、
「約束…です、けど…」
と言葉を濁す。
やっぱり違和感。俺は眉をひそめた。
すると、彼女はそんな俺の表情から
「…もしかして、レオは約束したことすら忘れたんですか…?」
と疑うような目でこちらを見てきた。その表情はフィオそっくりで、あぁそんな顔を教えるなよ!!と内心で実の妹を責める。
「いや、違うって!」
俺が慌てて言い募ると…逆効果だった。彼女は疑いの色を濃くする。
「本当に忘れてないんですか?」
「本当だって!」
忘れられるわけがない。あの笑顔。緩んだ赤灰色の瞳。
「それなら…どうして不思議そうな顔をされたんです?」
どうやら信じてくれたらしい。今度は純粋な質問だった。
「いや…約束したことは覚えてたんだなって。」
なおも首を傾げる彼女に、どう説明したものかと俺も首をひねる。
「だから、えっとだな…約束の内容だけ忘れるとか、変な忘れ方だよなぁって俺は思ったんだけど…」

これまでの、忘れられた時のことを思い出す。記憶は彼女の中からすっぽりと抜け落ちてしまっているので、彼女はまわりが指摘するまで、なくしたことに気付けない。
彼女自身で気付いたこのケースは初めてなのではないだろうか。

「そういえば…そうですね…」
「だろ?」
彼女が俺を見上げる。
それだけで、思考が止まる。どうにかしてほしい。
「どうしてだろうな。」
目をそらして、深く考えずに言った俺のその一言をうけ、彼女は言った。
「よく分かりませんけど…特別だったから…でしょうか?」
その言葉が信じられずに、視線を戻す。まだ見上げていた赤灰色の瞳と、目が合った。
「私…約束したことが…嬉しかったんです…」
彼女は少し微笑んで、それから、視線を落とす。
「でも…忘れてしまいました。」
嬉しかったと言われ上空に舞い上がっていた俺の意識は、その言葉と表情で一気に地上に戻ってきた。
「気にしなくていいから!たいしたことじゃないし!うん、たいしたことじゃなかったしな!そうそう、気にするほどのことじゃ…」
「そうですか…」
「…へ?」
…今、怒気を含んでた…ような…
「私との約束は…たいしたことじゃないんですね…?」
「うわぁ!違う!違うって!!」
「もう…いいですっ。」
彼女はぷぃと、これまた妹とそっくりな動作でそっぽを向いた。
フィオの馬鹿ー!とまた内心で叫んだ。

 
――*――*――

 
Lost Logより、苦労人レオナルド。
みんなからはレオとしか呼ばれない、そんな人(笑)
主人公女が可愛くて仕方がない。
きゅーって抱きしめてあげたい(笑)
【2009/05/31 23:49 】
迷子[LL] | コメント(0)
約束イベント‐ノックス‐
「約束だからな!」
そう言って、彼はいたずらを思いついた子供のような、楽しそうな笑顔を浮かべた。
「ノックスー!」
向こうにいる仲間から名を呼ばれ、彼はそちらへと走り出した。
途中、私の方を振り返って、もう1度。
「約束だからな!」
「…はい!」
私はうなずいた。
なぜか心の中があったかくて、知らず目許が緩んでいる。
約束。
その単語を胸の中でくり返した。

――これが幸せってことなのかな。

私は一度、すべてを忘れている。
こうやって、日々の生活の中で生まれていく感情にマーカーをつけて、分類していくのは楽しくて嬉しい。
その作業に貢献してくれているのが、今の、まっすぐな瞳が印象的な青年だった。
私の心を揺さぶる人。笑顔を与えてくれる人。

 
忘れることは辛い。
だって覚えていてくれる人が、悲しそうな表情をするから。

そしてまた忘れてしまった。
約束だと言ってくれた彼の笑顔は思い出せるのに、
…その内容がすっぽり抜け落ちている。

ノックスは感情が見事に表情や態度に現れる。
私みたいな"欠陥品"にとって羨ましいそれが
今はひどく恨めしかった。
がっくりと肩を落とす姿が容易に想像できて、ため息をつく。
もしかしたら、怒って口をきいてもらえないかもしれない。
それもありうる。だって嘘をつけない人だから。

憂鬱な気持ち。
そうマーカーをつけて、ふと、違う気持ちも混じっていることに気付く。
なんだろう?
忘れてしまったのが悔しい?
欠陥品な自分が嫌で仕方ない?
そういう感情も時々あるが、今日のは違う。

首をひねっていると、ぽんぽんと肩をたたかれた。
「よっ!」
ノックスだった。
まだどう謝ろうかシミュレーションしてないのに、と思ったが、仕方ない。
とりあえず頭を下げてみた。
「うぉっ?!どうした?!!」
「忘れてしまいました…」
「は?!」
途端、彼に両肩を捕また。
驚いて見上げた私の瞳と、彼のまっすぐな瞳が交差する。
「俺のこと忘れたのか?!!!」
「…や、ノックスを忘れたわけじゃ…」
「あぁ゛ー…よかった…」
力が緩められて、私はほっと胸をなで下ろす。
「いきなり頭下げられるからびっくりしたってー」
そう言って笑う彼につられて笑って、
「でも…忘れちゃったんです…約束。」
うなだれる私に彼はいとも簡単に言った。
「じゃあ約束しなおそうぜ!」
「え…?」
傷つけると思っていたのに、意外だった。
彼は笑う。明るく。
「ん?どーした?」
「…怒らないんですか…?」
「破られたんだったら怒るけど。」
その違いが私にはよく分からなかったが、彼が笑ってるのでいいのだろう。そう思うことにした。
「約束…もう一回してくれますか?」
「おぅ!」


マーカーがひとつ増えたかもしれない。
忘れてしまって惜しいなって…私はそう感じてたんだ。
約束をしたことが嬉しくて、待ち遠しかったその気持ちは忘れてなかったから。


『今度、俺のとっておきの場所に連れてく!約束な!』

 
――*――*――

 
Lost Logより、ノックス。
米舞大好き熱血君(笑)

さすがに眠いです。
ここはドコ?って気分なんだぜ☆←
おやすみなさい…。
【2009/05/29 02:52 】
迷子[LL] | コメント(0)
Lost Logの話。
去年の10月ぐらいから1月まで
ゲームの企画書についての講習会に参加してまして
そのとき卒人さん、架逆ちゃん、女王様、私の4人で
「Lost Log」というゲームの企画書を作りました。
講習会が終わってからも、4人で設定積み上げてまして、
いつか形になればいいなぁなんて思ってます。

で、その登場人物達があまりに可愛くて、
もそもそと短編を書いたりとか。
ブログ掲載許可もらいました。
しばらくお付き合いください。

テスト、春休み…と書くことから離れてたので
文章にしていく作業が楽しくて仕方ないです。
ほんの少しだけど、地の文の書き方が変わったような…
繰り返し、声に出して読みたくなる文章が目標。
↑今思いついた(笑)

ちょうど1年前は自分の世界表現するのに必死だったんだけど
いかに構築するか考えるのも楽しくなってきたっていうか…
あーとにかく、文章にするのが楽しいです。

500円およびstwの更新が止まってる言い訳。
一度全部読み返さないと、あの世界を表現できないっぽいから。
すぐ寝ちゃう私が悪いんですがねー…(苦笑)

では、学校行ってきます。その後バイトv
【2009/05/21 11:37 】
迷子[LL] | コメント(1)
約束イベント‐リオ‐
赤い紐に黒地、膝ぐらいまであるブーツを大袈裟に鳴らして歩く。それにあわせて黒いリボンで高く結った金髪が左右で上下に揺れ動き、膝上のプリーツスカート、裾から覗く黒フリルが揺れる。目のやり場に困るくらいひらひら。黒白のボーダーニーハイからぎりぎり素肌がちらり。お構いなしに彼女は大股で歩き続けた。
急いでるわけではない。
「ばか…ばか…!!!」
本当は12歳なのだが、厚底をもってしても補えない身長と白いブラウスの下に隠れる華奢な体のせいでさらに幼く見える少女―――リオネット・ストロベリーは怒っていた。
空は夕焼けから夜へと装いを変えていく移り目の色。月はまんまるく太っている。それを見る余裕は、もちろんない。

約束してたのに―――。

リオは大好きな彼のことを思い浮かべ、頬を膨らませた。右手に持った、赤が強めの、鮮やかなピンク色の傘で道を叩く。続けて、もう一回。縁取りの白レースが特徴の可愛らしいそれは、見た目どおりの愛らしい音をたて、ブーツのカコンという軽い音と混ざって、響いた。夜が近付いてきたのに加え、人通りの少ない方、少ない方へと歩いてきたので、あたりに人の姿はない。だから余計響いて、寂しい。

―――彼は特殊な能力を持つ。その力を使う際、自身の記憶を犠牲にしなければならないことを、少女は幼いながらも十分理解していた―――つもりだった。

約束していたのだ。二人で、みんなに内緒で遊びに行こうって。普段はぶっきらぼうで、何を考えてるかまったく分からない彼が、「秘密」と言って、人差し指を立て口許にあてて、ほんの少し笑った。その仕草と表情に目を奪われた。何度思い出したことだろう。その度きゅうと胸がしめつけられる。
毎日指を折って、カレンダーとにらめっこして、待ったその日が、今日。

彼は忘れてしまった。約束してたのに。先ほどの戦いで能力を使ってしまったがために。
まわりに内緒にしていたのがあだとなった。覚えているのは少女だけである。

どうしてこんなにくやしくて、悲しくて、せつないのだろう。

彼に対して怒っていたはずが、今はもう何に腹を立てているのか分からなくなった。
わり切れない自分が嫌だ。子供じみてる。リオはそう思って、また傘を鳴らした。カツン。

「大っ嫌い!!」
そう叫んだ時、彼は困ったような、傷ついたような顔をしていた。嫌われてしまったのだろうか、部屋を飛び出した少女を追いかけてきてはくれなかった。それがこの感情に拍車をかけている。
「ばか…」
込み上げてきた涙に視界が歪んで、そこで初めてリオは歩みを止めた。ずいぶん遠く、街外れまで来ていたことに気付く。
大粒の涙が後から後から零れて、落ちて。それを両手でぬぐう。情けなかった。惨めだった。人がいないとはいえ、こんな道端で泣くなんて、プライドが許さない。彼女は嗚咽だけはもらすまいと唇を噛んでやり過ごした。こすりすぎた目の下は赤くなってしまったが、涙をやっとごまかした、その時、
「リオ…!」
呼ぶ声に振り返って、また少女の視界はぼやけることになる。
彼だった。
「何しにきたの?!」
声が震えるのを必死に隠しながら、少女はつっけんどんに言い放つ。
「リオが、怒ってたから。」
単語でぶつぶつ切れるのは息が整ってないからではなく、彼の話し方の特徴である。
「ごめん、俺、リオが、なんで怒ってるか、分からない。」
感情が読み取れないその話し方は、リオの怒りと不安とを煽る。
「そうよね。忘れちゃったんだもんね!」
傷つけると分かっていて、それでも少女は止まらない。
くやしくて、悲しくて、せつない。
また込み上げてきた涙を気のせいだと思いたくてまばたきを繰り返す少女に、彼は何か差し出した。
ペロペロキャンディ。着色料がものすごくて、総長やウォルフから散々言われたけど、少女が大好きな、ピンクと白のぐるぐる。
「リオが好きなものは、覚えてたから。」
一瞬、心臓が止まったかと思った。それから、少女の胸に充満していたこの感情の正体がすぅと理解できた。
自分との思い出が取るに足らないもののように思えて、くやしくて、悲しくて、せつなかった。

「俺、覚えてるから。」
なんだか泣き出しそうな表情で、彼はまた言った。

―――私との思い出、大事にしまっておいてくれたのだろうか?

少女はキャンディをひったくるように取り上げて、そっぽを向いた。
「仕方ないから許してあげるわ!」
"ありがとう"は恥ずかしくて言えなかった。たった一言で機嫌を直してあげるのも癪で。
素直になれない少女に、しかし彼は安堵の表情を浮かべる。
胸中でリオは"ごめんね"と付け加えた。
たぶん、傷つけた。でも私だって傷ついたのだ。おあいこってことにして欲しい。
「ほら、さっさと帰るわよ!」
少女の勝手な物言いに彼は笑って、後ろからついて行った。
ブーツの音が軽く、楽しそうに歌う。ツインテールもスカートのフリルもリズムに合わせ踊るように跳ねる。
まんまるな月を見上げる。あぁ今日は満月だったんだと、少女は笑みを浮かべて、彼を振り返った。

 
――*――*――

 
リオはスパッツはいてるんだけど、でも…
ひらひらはドキドキなんですっ!!(笑)
Lost Logより、ロリツンデレちゃん。
卒人さんから許可もらったので、ブログにあっぷー。
ツンデレって可愛いですよね。憎めない。
でもなぜか声担当が私で、いや仮なんですけど、
早くふさわしい人が現れないものか…と思ってます。
光栄ですけどねー可愛い言われるのは嬉しいものですv

Lost Logについての詳しい説明は後日ー。
今日はもう寝るよーてかなんで起きてるんだー…(笑)
【2009/05/21 01:26 】
迷子[LL] | コメント(0)
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