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四ノ宮那月と七海春歌で頬をふにふにする
ふに。ふに。那月くんの指が、頬を軽くつまんでは、離される。「あの、那月くん」「なんでしょう~?」「楽しいですか?」「はい、とっても!」満面の笑顔に、胸が音を立てる。「ハルちゃん?」俯いたわたしを覗き込むように、那月くんがその大きな背を屈める。(…えい)ふに。(…あ。楽しい…です)

那春さんって本当可愛いね。
診断メーカーで言われたから、書いた。

龍也「苺花は四ノ宮那月と七海春歌で頬をふにふにするをテーマに描いてみてくれ!楽しみにしてるからな。」
http://shindanmaker.com/206798
【2013/04/14 20:33 】
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春夏ちゃん
よくわからん時間に目覚めてしまって、それから、春夏ちゃんの可愛さに悶絶してた…眠れないじゃないか! z__oノシ

あとで公式調べないと…とは思うんだけど、夏樹ちゃんが僕っ子だったらどうしたらいいかわからないちょっと可愛すぎる///ばか////

春くんのことは「ハルちゃん」って呼んでたらいいと思う。可愛い。恋人になってから、たまに、「春くん」って呼んだりね! 可愛いね!

なんかもう春くんの後ろ姿発見して、女性らしからぬスピードで駆けていって(笑)、後ろからどーんって抱きつく夏樹ちゃんが可愛すぎて知恵熱。

春くんは、びっくりするし、そんな風に女の子に抱きつかれることも滅多にないし、アイドルは恋愛禁止だし、で、わたわた焦ってるんだけど、夏樹ちゃんはお構い無しにぎゅ~ってして、頬擦りしてそう。可愛い。

春くんが、回された手をぽんぽんって叩いて、離してってやんわり言って、夏樹ちゃんが離れたらくるりと振り返って「どうかしましたか?」って夏樹ちゃん覗き込んだらとか思うと、春夏ちゃん可愛すぎて。ぅぇっ。

春くんが夏樹ちゃんの頭をなでなでしたら、きっと、夏樹ちゃん嬉しくなって、「ありがとう、僕の天使」って頬にちゅってキスして、春くんが真っ赤になってるんだよね、可愛い。※恋愛は禁止ですよ君たち。

天使は、あなたの方だと思います……。って春くんが思ってるの。初めは言葉にはできないけど。夏樹ちゃんまじ天使の愛らしさ。ふう!

たまーに、抱きつくときに失敗しちゃって、眼鏡が外れてしまう夏樹ちゃん。さつきちゃんはどんな子なのかなガタガタ。

TLを春夏ちゃんで埋める、一人楽しくあらぶるタイム。うえーん仕事に支障が出るから、あともうひと眠りしたいよ\(^o^)/春夏ちゃんちょっともうどうしようもう\(^o^)/

春←夏ちゃんが、春→夏ちゃんになる瞬間を想像したら、頭がぱーんてなる。夏樹ちゃんが春くんの歌をうまく歌えなくて逃げ出しちゃったりしても、春くんが必ず追いかけて、捕まえて、抱きしめてくれるんだよね…やだ…好き…死ぬ。

春くんが夏樹ちゃんぎゅってしてるのとか、もう、ぅぇぇぇぇぇっ(号泣

キスだっていつも夏樹ちゃんからだけど、夏樹ちゃんがおねだりしたら、春くんからキスしてくれるんだよね。なんかもう可愛いね(嗚咽

春くんはつい、音楽で想いを伝えることに頼りがちになっちゃうんだけど、たまーに、ごくたまーに、夏樹ちゃんと攻守逆転したらいいと思う。いつも夏樹さんに頑張ってもらってばかりだから、ぼくも、ちゃんと伝えようって思ったんです。とかね、もうね、春くん…

~っ! 大好きです!! って結局夏樹ちゃんに押し倒さry

攻め攻めな無防備女子とか大好物過ぎてどうしたらいいかわからない。ちょっと。ちょっと。

あと、これはまた後で誰かに相談したいけど、林檎ちゃんの性別そのままで、他の子達の性別ひっくり返したら、新しい扉が開いちゃうガタガタガタ。

林檎ちゃん+夏樹ちゃんとかなんかもうなんかもうなんかもうなんかもうすみませんでした(涙の海

個人的には、そんな押せ押せどんどんな夏樹ちゃんが、春くんに「可愛い」って微笑まれたら、思考停止しちゃうとらぶ! 夏樹ちゃんは可愛いもの大好きだけど、自分にはあんまり似合わないのかなぁってコンプレックスがあるといい。

身長とか、眼鏡とか。たぶんほんとは唯ちゃんみたいな子に生まれたかったんだと思う。夏樹ちゃん。だから、春くんが、可愛いです。とか、似合いますよ。って笑ってくれるたびに、奏でる恋音どんがらがっしゃーん

萌え過ぎてつらい…TLに人がいなくて寂しい…春夏ちゃんまじ正義…。
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【2012/09/18 07:02 】
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ょぅι゛ょ
 まんまるな瞳が、じーっ。そんな音が聞こえそうな程、わたしを見つめる。
 その双眸は澄んだ青色で、とてもキレイ。
 何度も写真で見たことのある、お人形さんさながらの姿。
 話に聞いていた通り、とっても愛らしいです。
 爛々とした表情で見つめたいのは、こちらの方なのに。
 居たたまれなくなって、わたしはついに、手に持ったぬいぐるみで顔を隠した。
「どーしたの?」
 少女の声がする。
「ねぇ、ハルカ!」
「わ、わたしは春歌じゃありません!」
「ちがうの?」
「ハイ! わたしは、ウサギのピョン子です!」
 ぬいぐるみの手をぴこぴこと動かせば、少女が息を飲むのがわかる。
「ぴょんこ? はじめまして、あたしはエミリー」
 レースで飾られたスカートを摘まんで、エミリーちゃんは優雅にお辞儀をする。
 そして、満面の笑みを浮かべた。
「ぴょんこ! あたしはハルカに会いたいの」
「…どうして?」
「だって、ナツキのプリンセスだもの」
 両手を広げて、ぴょこんと背伸びをしてみせる。
 少女は笑って、わたし達二人の様子を見守っていた彼へと振り返った。
「ナツキの言った通り、キュートなプリンセスね」
 その言葉に、ぬいぐるみの後ろに隠れたわたしの顔はますます赤くなって。
「もう我慢しなくていいですか?」
「え、えっと…きゃっ」
 那月くんに抱きかかえられて、体が宙を浮く。
「~っ、まだ返事をしてないです!」
「ごめんね、待てませんでした!
 でも僕、すっご~く我慢しましたよ?」
 ドキドキし過ぎて、もう、どうしたらいいのか…。
 那月くんにぎゅっとしがみついて火照った顔を隠せば、握りしめていたウサギをそっと取り上げられた。
「いらっしゃい、エミリー。これは僕達からのプレゼントですよぉ」
那月くんが膝を折って、小さなお姫様と目線の高さを揃える。
 差し出されたぬいぐるみを受け取った少女は、屈託のない笑みを浮かべた。
「ありがと! ナツキ! ハルカ!」
【2012/09/17 04:16 】
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那春さん原稿の

校正なうなう。

追記で
息抜き嶺春。
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【2012/08/07 22:25 】
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genko-
「ねえ、ハルちゃん。聞いてくれますか」
「はい。なんでしょう」
 いつだって、逃げずに向き合ってくれた。自分が信じられない四ノ宮那月を、この子は一度だって裏切ったりしなかった。愛らしい天使のようで、女神のように慈悲深い。そう言うと困った顔をして、言葉の途中で赤くなって俯いてしまう。わたしは、那月くんが大好きだから。
「信じることって、難しいね」
 首を傾げる春歌の手を取り、指を絡めてぎゅっと握りしめる。
「僕を好きだと言っている人が、何時、他の人に心を奪われるかなんてわからない」
「わたしは、ずっと那月くんのことが」
 咄嗟に口をついて出た言葉を、那月は笑顔で、やんわりと遮った。
 ずっと、弱いままの四ノ宮那月を好きでいてくれるって、どうして簡単に信じられるだろう?
「アイドルって、代わりなんていくらでも居るでしょう?」
 春歌はそんなことないと言いたいのをぐっと堪える。那月の思いをしっかり理解しようとまっすぐ見つめ、繋いだ手をぎゅっと抱きしめると、那月が破顔して、やんわりと笑った。
「でもね、僕、気づいたんです!」
 額に触れた口づけに、きゅっと目を閉じると、那月が笑みを零すのがわかる。
「何度だって、僕と恋に堕ちてもらいます。
 たとえ、恋人が居ても、結婚していても、
 必ず僕を好きになってもらえばいい」
 信じることは難しくて、だから自分は弱いのだと思っていた。
 でも、アイドルとして人の前に立って、誰かの笑顔に出来た時に、初めて自分を信じられた。
 そうしたら、自分を好きだと言ってくれる人の気持ちも、まっすぐに伝わってきた。
「僕が信じられる、僕になります」
 他人が僕を信じてくれるって、そう期待して生きるよりもずっと簡単でしょう? と笑う那月に、春歌はそっと頷く。
 仕事で何があったのかは、きっと追々話してくれるんだと思うけれど、いつだって一人で答えを出してしまうんだなあ。と一瞬胸に覚えた寂しさは、
「僕ひとりだと難しくても、
 僕には音楽の女神様がついていますから。
 ねっ、春歌」
彼が笑顔で名前を呼んでくれた途端に、どうでもよくなっていた。
「はい! 那月くんが信じられなくなった時は、わたしが信じます!」
 健気に見上げ続ける澄んだ瞳は、大人のラインを踏み越えた今でも穢れることはなく、そんな春歌が隣に居てくれるから、那月はずっと歌を歌い続けていられるのだと思い出して、ふふっと笑みを零した。
「ハルちゃん、大好きです」
 とびきり甘いキスをする。二人で顔を見合わせて笑った。

*

まだdebutの消化に時間がかかっている。
しかしASは楽しみです非常に楽しみ。
嶺春本当楽しみね…林春も楽しみよ…///
【2012/08/05 21:01 】
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白菜に
あたった気がする…ぅぇ←←←

 *

「外は寒いですからねぇ」
そう言いながら那月くんが取り出したのは、
もこもことしたブラウンのコートでした。
「僕が小学生の頃に使っていたものなんですが」
促されるまま、袖に腕を通してもらい、整えると、
ぽかぽかあったかくて、ちょうどいいサイズです。
「わあ、よかった! よく似合ってますよ」
那月くんの前でくるりと一回転すると、
にこにこ笑顔で、
フードをかぶってみてくださいとジェスチャーで示される。
言われた通りにしてみたら、
「可愛いです! ぎゅ~っ!」
あっという間に腕の中に閉じ込められてしまいました。
それから、
何が起こったのかわからないわたしは手を引かれ、
鏡の前に立ってみると、
「わあ。」
フードに、ちょこん。
クマさんの耳がついていることを発見しました。
「可愛いです。」
「ね、可愛いですよね! ああ、本当、ハルちゃんに良く似合ってます!」
【2012/07/02 22:13 】
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りぴ2月
「どうして、俺なんだよ?」
 苛立ちをどうにか抑えようとして、低く押し殺した問いに、砂月は珍しくからかわずに答えを述べた。それがまた、彼との最後の会話であることをリアルに感じさせた。
「他の奴らだと、止めるだろうと思ったから。」
 彼の言う他の奴らとは、那月のクラスメイトの彼等のことだろうか。クラスは違うが、砂月とも打ち解けて会話している様子を見かけたことがあるし、音也からは、砂月はイイヤツだよねと言われた。その時俺は、思いっきり怪訝な顔で返したのだが、彼は気に留めることなく、マサと友千香も同じ気持ちだと思うと笑顔で述べたのである。
「あー、まあ、止めるだろうな。」
 Aクラスのメンバーは、超が付くほどのお人よしだし。
「てか、俺も、理由によっちゃあ止めるぞ?
 ――簡単に諦めんな。」
 どうして俺は、ここで目を伏せてしまったんだろう。
 たぶん、わかったんだ。簡単に決断した訳じゃないってことが。
「だから、お前に頼んだんだよ、チビ。」
 俺の心の中を読んだみたいに、砂月は言って軽く笑う。そして、
「那月と――春歌のこと、頼むな。」
 一通の手紙と、とても重たい想いと責任を押し付けて、人の気も知らずに、本当に、勝手にいなくなってしまったんだ。
【2012/07/01 22:08 】
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しのはる!
※なっちゃんさっちゃん分裂してる

 唇に触れた体温は、どこまでも優しかった。
 柔らかい――この感覚はなんだろう。と、彼女は微睡む意識をゆっくり辿る。
 それは、とっても幸せな記憶と結び付いている。
 唇から伝えられる想いは、不器用な言葉を並べる彼の、本当を教えてくれるから、恥ずかしい気持ちと同じだけの、満ち足りた幸福を覚える。
 ――キスを、している。
 ゆっくりと離れていくぬくもりに合わせ、春歌は目蓋を開けた。
 ぼんやりとした意識は、司会と共にクリアになって、唇を奪われたという実感が急速に巡り、一瞬にして真っ赤になる。
 足元に寄ったシーツを口まで引っ張りあげて顔半分を隠しながら春歌は、自分の慌てふためく様子を呆れたように、でもどこか楽しんで見ている砂月を、視線で非難した――あまりに突然のことで、声にならなかったのである。
「いい加減慣れないか?」
「砂月くんこそ、普通に起こしてください。と、わたし、いつもそうお願いしているのに……。」
 とっても、心臓に悪い目覚めです。
 潤んだ瞳でじっと見つめ、ふるふると肩を震わせる彼女は可愛い。愛しているからこその贔屓目も認めた上でなお、特別愛らしいと砂月はそう思っている。
 少女の額を指で弾いて、あっさりとベッドから身を引いた。直視できない程可愛いのだと自覚していないから、この天然はたちが悪い。
 春歌が寝坊した時、まるでお約束事のように繰り返されるやりとりは、
「ほら、朝食温め直しておくから、さっさと那月を起こしてこい。」
「起こしてくださって、ありがとうございました。」
部屋を去る砂月の背中へ、眠り姫がお礼をのべるところで、一幕。
 唇にかすかに残る香りにまた頬を染めて、春歌はベッドから降りた。

 *

「那月くん。那月くん。」
 朝ですよ~。と体を軽く揺すってみても、恋人は変わらず穏やかな寝息を立てている。
 無防備な寝顔が愛らしくて、いつも忙しく頑張っている彼のその表情をもっと見ていたいと思うけれど。春歌はきゅっと口元を結んで、パートナーですから。と意気込む。
「起きてくれないと……いってらっしゃいのキスをする時間がなくなっちゃいますよ……?」
 一番効果的だと知ってから、何度も繰り返し使っているその言葉でも、毎回恥ずかしくて、声が震える。
 ハルちゃんはそんなところも可愛いんですよね。と笑って、那月が体を起こした。
「……起きてました、よね?」
「いいえ~。いま起きましたよぉ。おはよう、ハルちゃん。」
 触れるだけの軽いキスをして、那月の一日は始まる。
 本当はもっともっと触れたい。
「さっちゃんが待ってますね。」
「はい。先程から、良い香りがしています。」
 立ち上がった那月が差し出す手に、手を置いて、二人で手を繋いでリビングへと向かう。
 三人一緒だから、幸せ。
 四ノ宮家の第三幕は、温かいスープと焼きたてのトーストを一緒に囲む、そんな、毎朝の風景。

 *

四ノ春クラスタさんのお話を聞いてて、ついあらぶった。
ハルちゃんを起こすのはさっちゃんの役目で、
なっちゃんを起こすのはハルちゃんっていう、
そんなお約束があればいいなぁ。
【2012/06/25 19:41 】
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りはびりとお仕事の関係性は。
 そーっと。そっと。
 彼を起こさないように。
 ほんの少し鳴った、ベッドの軋む音。どうか気づかないで。
 真上から、その幸せそうな寝顔を見下ろした。
 ふふ、那月くん。可愛いです。
 あ。抱きしめているテディベアさん、わたしがプレゼントしたあの子です。
 すごく嬉しい。
 どきどき。心臓はフルハーモニー。
 ――実は。今日はある決意があって、こうして那月くんの寝ている側まできました。
 わたし、七海春歌は一生懸命考えたんです。
 那月くんのこと、もっとわかりたい。理解したい。
 どうしたら、近づけるだろう。って。
 那月くんのように、もっと、愛情を表現できたらいいのかな。
 恥ずかしいけれど。
 わたしが勇気を出せば、きっと。
 そう、思ったんです。
 起きないでくださいね。那月くん。
 頬にちょっと触れるだけ。
 いつも那月くんがしてくれるように、唇を押し当てるだけ。
 そこに、たくさんの愛してるの気持ちを込めて。
 そうして、いつか、自然に出来る時がくるように。
 心臓が壊れちゃわないように。
 ――練習させて、くださいね!
 端正な顔の横に手をついて、身を乗り出す。
 顔を近づけて、
 あと少し? もう少し?
 近づく度に、胸が痛くなって、
 好きの気持ちが溢れてしまう。
 どうしよう。
 ぎゅっと目を瞑ってみる。
 あと少し? どの位?
 見えないと、全然距離感が掴めない。
 ふるふると震える心と唇。
 体重のかかった手が、痺れてきました。
 目を開けて、あと数センチ。
 こんなに近くにいるのに、触れられない。
 もう一回。リベンジです。
 諦めたくない。わたしは那月くんのパートナーです。だから。
 目蓋を閉じて。
 触れたいの、あなたの心に。
 愛してるって言いたくて。
 たった一瞬、唇に感じた恋人に、いつまでも鳴り響く恋の音。
 はあ。
 達成感よりも疲労感が大きくて、わたしはそっと息を吐く。
 こんなにいっぱいいっぱいで。
 愛してるを伝えられるでしょうか?
 全然駄目です。足りません。
 ――大好きを贈りたい。
 もう一度。もう一度。
 彼の頬に触れてみたい。
 身を乗り出せば、また、ベッドが軋む。
 覗き込んだ美しい瞳に、吸い込まれそう――……あれ?
「な、つき、くん?」
「おはようございます。ハルちゃん」
 鼻先が触れ合いそうな距離で那月くんは、わたしを見上げて、にっこり笑った。
「あ、」
 思考が止まる。
 わたし。わたし――っ。
「あああああ、あの、」
 退かなくちゃ。
 どうしよう、突然のことに体が動かない。
 こんな、那月くんを組み敷いたような体勢で。
 わたし。わたし。わたし。
「ごめ、ごめんなさ、いつ、おきて、あの、ごめ、」
 湯気が出てきそうな程真っ赤になって。
 いつもなら頬を隠す両手は、彼の顔の横についたまま。
 体重をかけてて、動かすことが出来ずにいる。
 伸びてきた優しい指が、彼へと落ちる横髪を掬って、耳にかけた。
 頬に触れた。気がした。
「見ないでください~…!」
 頭に添えられた手が、よしよしとわたしを撫でて、離さない。
 動けない。
「ね、もう一回」
 那月くんが囁けば、吐息がわたしの唇に触れた。
「いろんなあなたを、もっと、僕に見せて」
【2012/06/17 22:33 】
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音春ちゃん可愛いよ
 軽快なJ-POPの音に、視線を吸い寄せられたわたしに気づいて、
「やってみる?」
半歩先を歩いていた音也くんが立ち止まった。
「えっ?」
「いいじゃんいいじゃん、楽しそうだよ、これ!」
 ニッと歯を見せて笑う彼の笑顔が思いの他近くて、トクンと心臓が跳ねた。
 ゲーム機から流れる、煌めく音。アイドルソングをBGMに、わたし達は二人、視線を交わして、
「でも。」
先に目を逸らしたのは、わたしでした。九つのボタンを有する機械へと目をやり、モニターに映し出される映像をなんとなく眺める。
「難しそうです。」
 曲に合わせて、九色のバーが上から降ってくる映像が流れます。下に引いてあるラインと重なる瞬間に、同色のボタンを叩くというゲームのようです。
「そう? リズムレッスンと同じじゃないかな。」
 音也くんは事も無げにそう言って、さあどうぞ。と手を機械へと向けて差した。
 その瞬間、耳に届く音楽がメドレーに切り替わった。次々に慣らされる楽曲の中で、わたしは何度繰り返したか覚えていない、大好きなアイドルの曲を見つけた。
 弾かれたように顔を上げ、音也くんへと振り返る。
「ほら、春歌の大好きなHAYATO様が呼んでるよ?」
 彼は笑った。

 慣れない手つきで、チュートリアルの通りにボタンに触れる。モード選択に手こずって、やっと楽曲紹介に辿り着き、わたしは迷うことなく、憧れのアイドルの代表曲を呼び出した。
 イントロが鳴り出せば、心が弾んで、嬉しくなった。わたしが微笑むのを、音也くんが横から見守っている。

 ――そうして。

「難しかった、みたい、だね……」
 音也くんが、困ったように呟いた。画面には大きく、「LOSE」の文字が出ている。
 九つのボタンに翻弄されているうちに1フレーズ終わってしまいました。
 リズムレッスンと同じ要領のはずなんです。それなのに、こんな惨敗の結果を出してしまうなんて、
「わたし……作曲家として……やっていけるんでしょうか……」
自信を失ってしまいます。
「ゲームだし! これ、ゲームだから、ね?!」
 がっくり肩を落としてしまったわたしを元気づけようと、音也くんが明るい声を出す。
「九個もボタンがあったし! うん、そうだよ! 九個ってのが多いんだよ!」
 彼が一歩踏み出して、わたしの隣に並ぶ。
 肩と肩が触れ合うのでないか――そんな距離感で、彼の笑顔が真正面から向けられた。
「一緒にやろうよ! こっち半分、俺が叩くから。
 慣れるまでは、これで練習。」
 ね? と同意を求められ、わたしはコクリと頷いた。
「ごめんなさい。不甲斐なくて。」
「ううん! 俺は嬉しいよ!
 春歌と一緒にゲームが出来て。」
 眩しい笑顔に嘘はなくて、わたしは再び、首を縦に振った。

 ――リベンジです!

 作業量が減ったおかげか、それとも、楽しそうに鼻歌混じりでボタンを叩く彼の調子に助けられたのか、初回とはくらべものにならない程、正しい音が鳴る。気づけばわたしも体を揺らして、ボタンに触れる手つきにも余裕が生まれました。
 曲が進むごとに、楽しくて仕方なくなっていて。
 わたしも、音也くんも夢中になっていたんです。
 九つのうち、真ん中の色が降ってくる。迷わず手を伸ばして、
「あっ。」
「きゃっ。」
彼の手が、わたしの手に覆い被さる。一瞬触れた体温が、熱く感じられました。
 慌てて手を引っ込めると、音也くんも同様に手を引いた後で、
「ごごご、ごめん。」
「いいい、いいえ。」
わたしの頬も、とても熱い。俯いても、視界の端で、彼も頬を赤く染めて、困ったように斜め上を見ているのがわかりました。
 び、びっくりしました。
 動揺する二人を笑うみたいに、HAYATO様の歌声は止まることなく進み、冷静さを取り戻して機械へと向き直った時にはすでに、それまでの成功を覆す量のpoorと、「LOSE」の表示がありました――。


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お友達な頃の音春ちゃん。
【2012/06/05 22:39 】
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